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立花エレテックは売り一巡、21年3月期収益拡大期待
- 2020/3/18 05:55
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
立花エレテック<8159>(東1)は産業用機器・電子部品などを扱う技術商社である。20年3月期は新型コロナウイルス感染拡大も影響して減益予想(2月26日に下方修正)だが、21年3月期の収益拡大を期待したい。株価は昨年来安値を更新しているが、売り一巡して反発を期待したい。
■産業用機器・電子部品を扱う技術商社
産業用機器・電子部品などを扱う技術商社である。仕入先は三菱電機<6503>および三菱電機グループが合計で約7割を占め、外資系半導体メーカー、ルネサスエレクトロニクス<6723>などが続いている。海外は子会社8社合計14拠点で、中国および東南アジアに展開している。
19年3月期のセグメント別売上高構成比は、FAシステム事業59%(FA機器35%、FAシステムソリューション12%、産業メカトロニクス4%、産業デバイスコンポーネント7%)、半導体デバイス事業(半導体、電子デバイス)30%、施設事業(空調機器、LED照明、太陽光発電システム、昇降機)9%、その他(MS事業・他)2%だった。なおMS(マニュファクチャリング・サービス)事業は、金属加工の製造受託(MMS)と電子機器の製造受託(EMS)を統合した事業である。海外事業売上比率は13%だった。
収益面では全体として企業の設備投資動向が影響し、第2四半期および第4四半期の構成比が高くなる季節特性もある。
■21年3月期営業利益75億円目標
技術商社の強みを活かして海外ビジネスの拡大、グループシナジーの追求、事業領域の拡大、営業力強化と体質改善を推進している。
6ヶ年中長期経営計画「C.C.J2200」では、2021年の創立100周年を見据えて、確固たる基盤を持った電機・電子の一大技術商社を目指し、目標数値に21年3月期連結売上高2200億円(単体1400億円、国内子会社460億円、海外子会社440億円、消去100億円)、連結営業利益75億円を掲げている。
なお20年4月1日付で八洲電機<3153>から八洲電子ソリューションズの株式を譲り受けて子会社化(立花電子ソリューションズに社名変更予定)する。
■20年3月期減益予想だが21年3月期収益拡大期待
20年3月期連結業績予想(2月26日に売上高、利益とも下方修正)は、売上高が19年3月期比7.0%減の1700億円、営業利益が12.1%減の58億円、経常利益が13.3%減の61億円、純利益が14.4%減の42億円としている。配当予想は19年3月期と同額の48円(第2四半期末24円、期末24円)としている。
第3四半期累計はFAシステムや半導体デバイスが減速して減収減益だった。そして第4四半期には新型コロナウイルス感染拡大も影響する。21年3月期の収益拡大を期待したい。
■株主優待制度は3月末の株主対象
株主優待制度は毎年3月31日現在の100株(1単元)以上保有株主を対象として、継続保有期間および保有株式数に応じてクオカードを贈呈している。
■株価は売り一巡
株価は昨年来安値を更新しているが、売り一巡して反発を期待したい。3月17日の終値は1338円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS166円41銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想48円で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2691円02銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約348億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)