GMOクラウドは売られ過ぎ感、20年12月期増収増益予想

 GMOクラウド<3788>(東1)は、サーバー貸出・管理サービスのクラウド・ホスティング事業、電子認証サービスのセキュリティ事業を主力として、新規サービスの収益化を推進している。20年12月期増収増益予想である。収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化で昨年来安値を更新する展開だが、売られ過ぎ感を強めている。反発を期待したい。

■クラウド・ホスティング事業とセキュリティ事業が主力

 GMOインターネット<9449>の連結子会社で、サーバー貸出・管理サービスのクラウド・ホスティング事業、電子認証サービス(SSLサーバー証明書発行サービス、企業実在性認証サービスなど)のセキュリティ事業を主力として、小規模事業者向けインターネット関連サービスのソリューション事業も展開している。

 19年12月期の構成比(連結調整前)は、売上高がクラウド・ホスティング事業42%、セキュリティ事業51%、ソリューション事業8%、経常利益構成比(連結調整前)はクラウド・ホスティング事業44%、セキュリティ事業79%、ソリューション事業▲23%だった。

 クラウド・ホスティング事業では、選択と集中による既存ホスティングサービスの統廃合でコスト削減を推進するとともに、クラウドサービスの拡大に注力している。19年4月には新クラウド導入支援・設計・構築・監視・運用を代行する「CloudCREW」を開始した。

 セキュリティ事業では、SSLサーバー証明書の国内市場シェアが、19年6月に50%を突破した。また安全なIoTデバイスのスピーディな開発をフルサポートする「IoT Developer Program」を、グローバルで提供開始している。

 ソリューション事業では、電子契約サービスAgree、オンラインゲーム開発エンジンPhoton、自動車向けIoTソリューションのLINKDriveシステムを活用したコネクテッドカー事業など新規サービスの収益化を推進している。

 なおコネクテッドカー事業については、20年1月新会社GMOモビリティクラウドを設立して分社化した。20年3月には双日<2768>との合弁会社として運営予定である

■20年12月期増収増益予想

 20年12月期の連結業績予想は、売上高が19年12月期比4.4%増の136億91百万円、営業利益が7.1%増の15億42百万円、経常利益が5.7%増の15億70百万円、純利益が5.5%増の11億32百万円としている。配当予想は2円54銭増配の49円13銭(期末一括)である。

 IoT分野を次の事業戦略の柱として、電子署名・電子契約サービスやクラウド運用のマネージドサービス、カークラウド事業など新規サービスの収益化を推進する。セグメント別の計画は、クラウド・ホスティング事業が2.2%減収で3.4%営業増益、セキュリティ事業が4.0%増収で3.9%営業増益、ソリューション事業が31.1%増収で赤字縮小としている。収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年12月末時点で6ヶ月以上保有株主対象

 株主優待制度は毎年12月31日時点で、1単元(100)株以上・6ヶ月以上保有株主を対象として実施(詳細は会社HP参照)している。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は地合い悪化で昨年来安値を更新する展開だが、売られ過ぎ感を強めている。反発を期待したい。3月19日の終値は1409円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS98円27銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の49円13銭で算出)は約3.5%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS556円31銭で算出)は約2.5倍、時価総額は約165億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  2. ■2024年度上半期163件で過去最多更新  人手不足による倒産が急増している。帝国データバンクの…
  3. ■新たなモビリティ社会実現に向けた取り組み加速  トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は10月…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る