ラクーンホールディングスの今期連結業績に与える新型コロナウイルスの影響なし

◇EC事業は新型コロ ナウイルスの感染拡大を要因とした流通額の減少は見られず、堅調に推移

ラクーンホールディングス<3031>(東1)は23日引け後、「新型コロナウイルス感染拡大の影響についてのお知らせ」を発表したが、現在のところ新型コロナウイルス感染拡大が今期連結業績に与える影響はない。

 EC事業は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、主に海外流通においてマスクの需要が急速に高まり、その後、消毒等の抗菌・除菌用品まで広がっている。その 結果、海外流通額は当初の予想を上回り大きく伸びている。一方で、国内流通については、現在のところ、新型コロ ナウイルスの感染拡大を要因とした流通額の減少は見られず、堅調に推移している。

◇フィナンシャル事業では売掛保証サービスへの問い合わせが増加

 フィナンシャル事業については、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、取引先の倒産・ 未入金リスク対策を検討する中小企業から同社グループ売掛保証サービス(T&G 売掛保証・URIHO)への問い合わせが増加している。特に年商10億円以下の中小企業を対象としたオンライン完結型の売掛保証である「URIHO」への問い合わせ数は倍増しており、現在の景況感を背景とした需要の高まりを感じている。

  同社グループの売掛保証サービスは、中小企業や個人事業主などの小規模事業者も対象とした独自の与信ノウハウを強みとしており、幅広い企業・事業者の売掛金の保証を請け負うことが可能である。今回の新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、企業の経営リスクは高まっている。そのような状況の中で、同社は、売掛債権の保全や与信管理の強化に取り組む企業を積極的に支援する。

 取組みの一環として、「URIHO」では「取引先の倒産・未入金への事前対策に関する無料オンライン相談」を開始した。さらに、楽天銀行の法人顧客向けにオリジナルプランの提供を開始した。

◇保証履行の発生率は適切にコントロールされており、例年と大きく変わらない水準

 一方で、景気後退局面など、売掛債権保証の需要が増加する局面は、企業の倒産、未入金リスクが高まる局面でもある。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、世間的に倒産件数等が増加するのではないかという潮流となっているが、前述のとおり、同社グループの売掛保証サービスは、中小企業や個人事業主などの小規模事業者も対象とした独自の与信ノウハウを強みとしている。現在のところ、保証履行の発生率は適切にコントロールされており、例年と大きく変わらない水準であるが、引き続き、保証引受審査を慎重に行い適切な水準を保つようコントロールする。

◇保険会社等との保険契約の活用で業績変動を抑制

 また、従前より、保険会社等との保険契約の活用により、大口の保証履行が発生した場合には同社グループが被る損害の一部を負担させることで、同社グループが負担する保証履行金額を軽減させるとともに同社の業績変動を抑制するようになっている。今回、契約更新時の見直しにより、保険が適用される対象範囲が拡大される。これにより、財務的安全性がより高まることで、与信リスクを低減させながら、積極的に売掛保証サービス事業を展開する。

◇売掛保証サービスの需要が増加

 新型コロナウイルスの影響が連結業績に与える影響はない。 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、今後、企業の倒産件数が増加するのではないかという状況の中で、売掛保証サービスの需要が増加している。今後も、保険の活用によるリスクヘッジしながら、強みである与信ノウハウによる保証引受審査により保証履行の発生率を適切にコントロールする。

 ちなみに、株価は、急落しているが、3月5日に発表された20年4月期第3四半期決算は、対前年同期比で売上高17.0%増、営業利益33.8%増、経常利益36.2%増、純利益42.3%増と2桁増収大幅増益であった。

 今期通期業績予想も売上高15.8%増、営業利益22.1%増、経常利益22.8%増、純利益12.0%増と最高益更新を見込んでいる。

 株価は、急落しているが、業績がコロナウイルスの影響を受けていないことから、株価反発を期待したい。

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