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うかいは反発の動き、21年3月期の収益拡大期待
- 2020/3/24 05:53
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
うかい<7621>(JQ)は高級和食・洋食料理店を主力としている。20年3月期増収増益予想だが、台風19号による臨時休業に加えて、第4四半期も新型コロナウイルス感染拡大の影響が懸念され、通期下振れに注意が必要となる。21年3月期の収益拡大を期待したい。株価は急落して昨年来安値を更新したが、売り一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。
■高級和食・洋食料理店が主力
高級和食・洋食料理店の事業本部(和食事業、洋食事業、物販事業)を主力に、文化事業(箱根ガラスの森美術館)も展開している。19年3月期の売上高構成比は事業本部91%(和食42%、洋食42%、物販7%)、文化事業9%だった。収益面では第3四半期の構成比が高い特性がある。
海外は、17年11月台湾・高雄市のホテル「シルクスクラブ」内に1号店「うかい亭 高雄」をグランドオープン、19年1月台湾・台北市の商業施設「微風南山」内に2号店「ザ・ウカイ・タイペイ」をオープンした。
成長戦略では人材の確保・育成、ブランドの研鑽、物販事業の成長促進、国際的なブランド発信の4つ課題を掲げ、さらなる成長に向けた強固な経営体質の確立に取り組んでいる。数値目標には、21年3月期売上高145億16百万円、営業利益5億50百万円を掲げている。
■20年3月期増収増益予想だが下振れ注意、21年3月期収益拡大期待
20年3月期業績(非連結)予想は、売上高が19年3月期比2.1%増の142億03百万円、営業利益が22.7%増の2億80百万円、経常利益が30.1%増の2億56百万円、純利益が35.7%増の1億31百万円としている。配当は19年3月期と同額の18円(期末一括)である。
第3四半期累計は、売上高が前年同期比0.2%減の106億42百万円、営業利益が22.2%減の2億04百万円、経常利益が21.0%減の1億81百万円、純利益が16百万円の赤字(前年同期は1億28百万円の黒字)だった。台風19号による臨時休業の影響、人材関連費用の増加などで減益だった。
第3四半期累計の進捗率は売上高が74.9%、営業利益が72.9%と概ね順調だが、第4四半期も新型コロナウイルス感染拡大の影響が懸念され、通期下振れに注意が必要となる。21年3月期の収益拡大を期待したい。
なお月次売上高速報(前年比)によると、20年2月は全社合計92.0%、既存店88.7%だった。既存店は6ヶ月連続の前年比マイナスだった。うかい烏山の台風被害の復旧工事による臨時休業(2月2日~3月3日)が影響した。
■株主優待制度は毎年9月末の株主対象
株主優待制度は毎年9月末時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、保有株式数に応じて優待券などを贈呈(詳細は会社HP参照)している。
■株価は反発の動き
株価は急落して昨年来安値を更新したが、売り一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。3月23日の終値は2779円、今期予想PER(会社予想のEPS25円02銭で算出)は約111倍、今期予想配当利回り(会社予想の18円で算出)は約0.6%、前期実績PBR(前期実績のBPS974円76銭で算出)は約2.9倍、時価総額は約146億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)