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夢真ホールディングスは反発の動き、自己株式取得
- 2020/3/26 06:00
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
夢真ホールディングス<2362>(JQ)は建設技術者派遣や製造・IT業界向けエンジニア派遣を展開している。20年9月期増益予想である。第2四半期以降は新型コロナウイルス感染拡大の影響に注意が必要となるが、収益拡大を期待したい。なお3月10日に自己株式取得を発表している。株価は地合い悪化で急落したが、売り一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。
■建設技術者派遣を主力にエンジニア派遣も展開
建設技術者(建設現場の施工管理技術者)派遣を主力として、製造・IT業界向けエンジニア派遣、その他(人材紹介、フィリピン現地人材への日本語教育、ベトナム現地人材の採用支援、ITエンジニア育成等)も展開している。19年10月純粋持株会社体制に移行した。
19年9月期の売上高構成比は建設技術者派遣68%、エンジニア派遣29%、その他2%で、期末の建設技術者数は6099人、エンジニア数は3640人だった。なお19年12月にはグループ稼働人数が9000名を突破した。20年9月期中にグループ稼働人数1万名を目指している。子会社の夢テクノロジーは22年度までの3年間でAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)認定資格取得エンジニア1000名育成を目指している。
M&Aも積極活用している。19年4月ITエンジニア派遣のインフォーメーションポートを子会社化、社会人向けオンラインプログラミング学習サービスの侍を子会社化、19年6月子会社の夢テクノロジーがシステム開発のBlueMemeと業務提携、19年7月ITエンジニア派遣のガレネットを子会社化、19年10月夢テクノロジーが外国人人材受け入れ制度における登録支援機関の認定を受けた。
■20年9月期増益予想
20年9月期の連結業績予想(第1四半期~第3四半期は日本基準、通期決算からIFRSを任意適用)は、売上高が630億円、営業利益が80億円、親会社所有者帰属当期利益が54億円としている。配当予想は19年9月期と同額の35円(第2四半期末15円、期末20円)である。なおセグメント区分を建設技術者派遣および付随事業、エンジニア派遣および付随事業、その他とする。
日本基準19年9月期実績との比較で20.0%増収、2.2倍最終増益となる。稼働人数増加、稼働率上昇、単価上昇、採用効率化などで大幅増収増益見込みとしている。前期の採用投資の収益化やグループ企業の連携も推進する。
セグメント別計画は、建設技術者派遣の売上高が14.5%増の410億円、利益が27.0%増の75億円、期末在籍人数が11.5%増の6800人、エンジニア派遣の売上高が35.1%増の208億円、利益が9.0倍の12億円、期末在籍人数が9.9%増の4000人としている。収益拡大を期待したい。
第1四半期(日本基準)は、売上高が前年同期比27.6%増の150億84百万円、営業利益が23.0%増の15億25百万円、経常利益が22.4%増の15億42百万円、純利益が14.5%減の7億28百万円だった。純利益は法人税等の増加で減益だが、技術者の増員、派遣単価の上昇、M&A効果などで大幅増収・営業増益だった。
建設技術者派遣は19.1%増収で34.0%増益、エンジニア派遣は44.3%増収だが売上原価の増加で48.1%減益、その他は3.8倍増収だがのれん増加で赤字拡大した。期末技術者数は建設技術者派遣が12.0%増の6078人、エンジニア派遣が36.2%増の3703人だった。
第2四半期以降は新型コロナウイルス感染拡大の影響に注意が必要となるが、収益拡大を期待したい。
■21年9月期営業利益100億円目標
中期経営計画(19年9月期~21年9月期)では、目標値に21年9月期売上高762億円、営業利益100億円、純利益68億円を掲げている。株主還元策は18年9月期以降、1株当たり配当額35円以上を維持する。ROEは30%以上を目指す。
セグメント別には、建設技術者派遣の売上高580億円、営業利益80億円、期末技術者数7800人、エンジニア派遣の売上高250億円、営業利益18億円、期末技術者数5500人としている。
■株主優待制度は9月末の株主対象
株主優待制度は毎年9月30日時点の3単元(300株)以上保有株主を対象としている。保有株式数に応じて贈呈されるポイントを、特設サイト内の商品・サービスと交換(詳細は会社HP参照)する。
■株価は反発の動き
3月10日に自己株式取得を発表した。上限160万株・10億円、取得期間20年3月17日~20年6月16日である。
株価は地合い悪化で急落したが、売り一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。3月25日の終値は577円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS70円59銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想35円で算出)は約6.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS155円75銭で算出)は約3.7倍、時価総額は約455億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)