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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】インフォメーションクリエーティブは第2四半期は増収増益、マイナンバー制度関連で4月高値目指す
- 2015/5/11 07:03
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
インフォメーションクリエーティブ<4769>(JQS)はソフトウェア開発やシステム運用を展開している。5月8日発表の第2四半期累計(10月~3月)業績は増収増益で、通期見通しに対する営業利益進捗率は高水準だった。株価は急伸した4月16日高値2517円から1600円台まで反落したが、足元では切り返しの動きを強めている。第2四半期累計の好業績を評価し、マイナンバー制度関連のテーマ性で4月高値を目指す展開だろう。
ソフトウェア開発事業、システム運用事業、その他事業(パッケージ開発・販売)を展開し、顧客に常駐する型で情報サービス分野における総合的なソリューションサービスを提供している。顧客別に見ると日立システムズや日立ソリューションズなど、日立製作所<6501>グループ向けが全体の約6割を占めて収益源となっている。
13年11月発表の新中期経営計画(14年9月期~16年9月期)では、基本戦略としてソフトウェア開発・システム運用などのITソリューション事業の安定成長、自社パッケージ開発・販売のITサービス事業の成長加速、強固な人材・組織基盤の構築を推進している。
経営目標値は16年9月期売上高80億円(ITソリューション事業76億円、ITサービス事業4億円)、売上高経常利益率8.0%を掲げ、長期ビジョンでは100億円企業、東証2部上場を目指している。
14年6月には美容室・サロン向けスマホアプリ制作サービス「LAPPLI(ラプリ)」をリリースし、11月には美容サロンの情報を無料掲載できる美容ポータルサイト「LAPOLU(ラポル)」を開始した。スマホアプリ制作サービス「LAPPLI」との機能連携強化や美容情報などのコンテンツ充実により、15年9月末までに500店舗のサービス利用を目指すとしている。
5月8日に発表した今期(15年9月期)第2四半期累計(10月~3月)の業績(非連結)は、売上高が前年同期比5.3%増の34億19百万円、営業利益が同13.1%増の2億21百万円、経常利益が同20.3%増の2億53百万円、純利益が同80.8%増の1億34百万円だった。
一部案件の売上計上が第3四半期(4月~6月)にずれ込んだため売上高は計画をやや下回ったが、第2四半期(1月~3月)に予定していた研究開発費が第3四半期以降にずれ込んだことや、保険積立金の見直しによる保険解約返戻金が発生したことも寄与して利益は計画を大幅に上回った。純利益は減損損失の一巡も寄与した。
四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(10月~12月)15億97百万円、第2四半期(1月~3月)18億22百万円、営業利益は第1四半期72百万円、第2四半期1億49百万円だった。第2四半期および第4四半期(7月~9月)の構成比が高い収益構造だが営業損益は改善基調だろう。
通期業績(非連結)予想は前回予想(11月7日公表)を据え置いて、売上高が前期比10.1%増の71億34百万円、営業利益が同17.1%増の4億05百万円、経常利益が同14.4%増の4億37百万円、そして純利益が同2.8倍の2億76百万円としている。配当予想は前期と同額の年間24円(期末一括)としている。
大型のIT関連投資案件が見込まれる金融機関向け、マイナンバー制度関連のシステム整備案件が見込まれる官公庁向けを中心として、ソフトウェア開発の需要が拡大する見通しだ。利益面では増収効果に加えて、前期の一部案件の作業超過発生の影響一巡も寄与する。純利益は前期計上の特別損失(ソフトウェアの減損および投資不動産の減損)一巡も寄与する。
通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が47.9%、営業利益が54.6%、経常利益が57.9%、純利益が48.6%と営業利益および経常利益の進捗率が高水準である。通期ベースでも好業績が期待される。
株価の動きを見ると、マイナンバー制度関連を材料視した3月高値1585円から利益確定売りで1000円近辺まで反落したが、4月上旬に再動意の展開となって4月16日の上場来高値2517円まで急伸した。その後1600円台まで一旦反落したが、足元では1800円台に戻して切り返しの動きを強めている。
5月8日の終値1814円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS72円13銭で算出)は25倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間24円で算出)は1.3%近辺、実績PBR(第2四半期累計実績のBPS928円04銭で算出)は2.0倍近辺である。
日足チャートで見ると25日移動平均線が接近して切り返す動きだ。また週足チャートで見るとやや過熱感を残しているが、13週移動平均線がサポートラインの形だ。第2四半期累計の好業績を評価し、マイナンバー制度関連のテーマ性で4月高値を目指す展開だろう。