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ネオジャパンは売り一巡、中期成長期待
- 2020/3/30 06:14
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ネオジャパン<3921>(東1)は自社開発グループウェアのクラウドサービスを主力としている。21年1月期は大幅増収だが、先行投資負担などで減益予想としている。中期成長を期待したい。株価は地合い悪化も影響して水準を切り下げたが、売り一巡して出直りを期待したい。
■自社開発グループウェアのクラウドサービスが主力
ビジネス・ITコミュニケーション・ツール開発企業である。自社開発グループウェア「desknet‘s NEO」のクラウドサービス(月額課金収入)を主力として、大企業向け中心のプロダクト(パッケージソフト販売のライセンス収入およびサポートサービス収入)も展開している。
グループウェア「desknet‘s NEO」は、ローカライゼーション(日本語、日本の商習慣やビジネス習慣など)に対応した27の基本機能を備え、多機能・使いやすさ・高品質・低価格を強みとしている。19年8月には日経コンピュータ顧客満足度調査2019-2020グループウェア/ビジネスチャット部門で、5年連続1位を獲得した。
20年1月期末時点のシリーズ累計ユーザー数は約415万ユーザー(うちクラウド版は約30万ユーザー)となった。業種・業態・規模を問わず、幅広く企業・官公庁・自治体に採用されている。中長期的には累計ユーザー数1000万ユーザーを目指すとしている。
19年6月米国に子会社DELCUIを設立、19年8月システムインテグレーションのPro―SPIREを子会社化、19年12月マレーシアに合弁会社NEOREKA ASIAを設立した。
20年1月期の売上構成比は、ソフトウェア事業が82%(うちクラウドサービスが57%、プロダクトが40%、技術開発が3%)、システム開発サービス事業(子会社Pro-Spire)が18%だった。またストック売上(クラウドサービスおよびサポートサービス)比率は77%だった。ストック売上の積み上げにより、高収益構造である。
■シェア拡大と東南アジア市場開拓を推進
中期成長戦略として、グループウェア「desknet‘s NEO」を核とするエンタープライズ向け製品の市場シェア拡大、シナジーが見込めるアライアンスへの戦略投資、マレーシアの合弁会社を拠点とするクラウドサービスの東南アジア市場開拓などを推進する。
製品ラインアップ拡充では、カスタムメイド型業務アプリ作成ツール「AppSuite」や、新しいコミュニケーション・ツールとしてのビジネスチャット「ChatLuck」を提供している。また20年2月にはグループウェア「desknet‘s NEO」新バージョンの提供を開始した。
■21年1月期増収・減益予想、中期成長期待
20年1月期の連結業績(Pro―SPIREを子会社化して第3四半期から連結決算に移行)は、売上高が37億42百万円、営業利益が6億99百万円、経常利益が7億17百万円、純利益が4億85百万円だった。クラウドサービスが18.0増収、プロダクトが17.2%増収と成長し、Pro―SPIREの子会社化も寄与して大幅増収増益だった。配当は1円50銭増配の7円50銭(期末一括)とした。
21年1月期連結業績予想は、売上高が20年1月期比42.4%増の53億31百万円、営業利益が22.6%減の5億40百万円、経常利益が21.9%減の5億60百万円、純利益が28.8%減の3億52百万円としている。配当予想は20年1月期と同額の7円50銭(期末一括)である。
売上高の計画は、クラウドサービスが大型案件も寄与して17.3%増収、プロダクトが1.1%減収、システム開発サービス(20年1月期は第3四半期から連結)が3.9倍増収としている。クラウドサービスが大幅伸長し、Pro―SPIREの通期連結も寄与して大幅増収だが、人材確保・育成や海外展開などの先行投資負担で減益予想としている。中期成長を期待したい。
■株主優待は1月末と7月末の年2回
株主優待は年2回、1月末と7月末の株主を対象として、保有株式数に応じてQUOカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。
■株価は売り一巡
株価は地合い悪化も影響して水準を切り下げたが、売り一巡して出直りを期待したい。3月27日の終値は880円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS23円72銭で算出)は約37倍、今期予想配当利回り(会社予想7円50銭で算出)は約0.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS259円69銭で算出)は約3.4倍、時価総額は約131億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)