スターティアホールディングスは反発の動き、21年3月期収益拡大期待

 スターティアホールディングス<3393>(東1)はデジタルマーケティング関連事業とITインフラ関連事業を主力としている。20年3月期は先行投資負担で減益予想だが、21年3月期の収益拡大を期待したい。なお新型コロナウイルス感染対策でテレワークを導入する中小企業に「セキュアSAMBA」を無料提供している。株価は地合い悪化で急落したが、売り一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■デジタルマーケティング関連やITインフラ関連を展開

 AR(拡張現実)作成ソフトやMA(マーケティングオートメーション)ツールなどのデジタルマーケティング関連事業、情報通信機器の販売・施工・保守やシステムインテグレーションなどのITインフラ関連事業を展開している。

 19年3月期セグメント別売上構成比はデジタルマーケティング関連事業17%、ITインフラ関連事業79%、ビジネスアプリケーション関連事業3%、CVC関連事業0%、海外関連事業1%、その他事業0%である。ストック売上比率はデジタルマーケティング関連事業58%、ITインフラ関連事業37%だった。なお20年3月期からビジネスアプリケーション関連事業をITインフラ関連事業に含める。

 デジタルマーケティング関連事業は、AR作成ソフトCOCOAR、MAツールBowNow、電子ブック作成ソフトActiBook、アプリ制作ソフトApp Goose、商品データベース作成ソフトPlusdbなどアプリケーション開発・販売を展開し、統合型デジタルマーケティングサービスCloud Circus拡販やラインナップ充実を推進している。19年9月にはMAツール導入数が3000社を突破した。

 ITインフラ関連事業は、MFP・ビジネスホン・UTM・ネットワーク機器など情報通信機器の販売・施工・保守、およびサーバ構築から運用保守までのシステムインテグレーションを展開している。18年11月には空調、新電力サービスを中心とする環境関連サービスを開始した。また19年2月サガスのOA機器関連事業、19年3月東和オフィスマシンの一部事業を譲り受けた。

 ビジネスアプリケーション関連事業は、クラウドストレージサービス、RPA製品導入・コンサルティングを展開している。CVC関連事業はキャピタルゲインを目的とした投資事業を展開している。海外関連事業は中国とシンガポールの現地法人が、日中間ブロードバンドインターネット提供、クラウド構築運用支援などを展開している。

 中期成長イメージとして22年3月期営業利益10億円を目指している。安定成長のITインフラ事業を基盤として、デジタルマーケティング事業の拡大に注力する。またサブスクリプション型のビジネスモデルを拡大する。

■20年3月期減益予想だが21年3月期収益拡大期待

 20年3月期連結業績予想は売上高が19年3月期比7.7%増の128億22百万円、営業利益が2.2%減の5億06百万円、経常利益が12.1%減の5億04百万円、純利益が10.3%減の2億90百万円としている。配当予想は19年3月期と同額の9円(第2四半期末3円、期末6円)である。なお20年3月期末に創業25周年記念特別株主優待(20年3月末時点で100株以上保有株主に1000円分のQUOカードを贈呈、今回のみ)を実施する。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比7.1%増の92億40百万円、営業利益が6.0%減の3億55百万円、経常利益が7.7%減の3億83百万円、純利益が26.9%減の1億93百万円だった。売上面はサブスクリプション型が9.5%増収と牽引したが、販管費の増加で減益だった。

 通期も売上面は順調(計画はデジタルマーケティングが16.2%増収、ITインフラが6.0%増収)だが、事業拡大に向けた投資先行フェーズのため減益予想としている。21年3月期の収益拡大を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は地合い悪化で急落したが、売り一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。4月1日の終値は472円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS28円32銭で算出)は約17倍、前期推定配当利回り(会社予想の9円で算出)は約1.9%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS473円95銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約48億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■シスルナ経済圏構築に向け、グローバルなパートナーシップを強化  ispace(アイスペース)<9…
  2. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  3. ■物価高・人手不足が直撃、倒産件数29カ月連続で増加  帝国データバンクの調査によると、倒産件数が…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1.  暖房機器、除雪商品などを展開し割安放置が目立つセクターにホームセンター株がある。PBRが1倍を割…
  2. ■背広の売れ行きが映す街角の景気シグナル  街角の景気実感を分析し、景気実態を明らかにする経済指標…
  3. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  4. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る