クリナップは反発の動き

 クリナップ<7955>(東1)はシステムキッチンの大手で、システムバスルームも展開している。20年3月期黒字化予想である。なお中国における新型コロナウイルス感染拡大の影響で、一部商品の供給遅れが発生(通常納期での受注を4月6日から再開)したため、20年3月期は下振れに注意必要だが、21年3月期の収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化で急落したが、売り一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■システムキッチン大手でシステムバスルームも展開

 システムキッチンの大手である。厨房部門(システムキッチン)を主力として、浴槽・洗面部門(システムバスルーム・洗面化粧台)も展開している。19年3月期部門別売上構成比は厨房部門78.0%、浴槽・洗面部門15.6%、その他6.4%だった。

 19年3月期末のショールーム数は103ヶ所、来場組数は447千組だった。販売ルートは工務店を主力としている。収益面では新設住宅着工件数やリフォーム需要の影響を受けやすい特性がある。

 中期経営計画(18年~20年)ではビジョンに「暮らし価値創造企業Cleanupへの変革」を掲げている。重点施策として、高級・超高級市場への本格参入に向けた商品ラインナップの変革、シェア回復に向けたフラッグシップモデルの刷新、ショールームにおける価値提供の強化、アジア諸国向けステンレスキャビネットの本格展開、新たな販売チャネルとしてのECビジネス立ち上げなどを推進する。

■20年3月黒字化予想

 20年3月期連結業績予想(10月31日に上方修正)は、売上高が19年3月期比3.4%増の1080億円、営業利益が24億50百万円の黒字(19年3月期は4億65百万円の赤字)、経常利益が25億円の黒字(同3億76百万円の赤字)、純利益が15億円の黒字(同7億04百万円の赤字)としている。配当予想は19年3月期と同額の20円(第2四半期末10円、期末10円)である。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比5.6%増の824億72百万円、営業利益が31億38百万円の黒字(前年同期は2億円の赤字)、経常利益が32億06百万円の黒字(同98百万円の赤字)、純利益が20億89百万円の黒字(同4億94百万円の赤字)だった。

 消費税増税前の駆け込み需要、付加価値の高い新商品の投入、全国のショールームにおけるイベント開催、流通パートナーとの連携強化などの効果で、全体として増収(厨房部門は6.9%増収、浴槽・洗面部門は1.9%減収)となり、原価低減や販管費抑制も寄与して各利益が黒字化した。下期は駆け込み需要の反動減を考慮しているが、

 なお中国における新型コロナウイルス感染拡大の影響で、一部商品の供給遅れが発生(通常納期での受注を4月6日から再開)したため、20年3月期は下振れに注意必要だが、21年3月期の収益拡大を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は地合い悪化で急落したが、売り一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。4月7日の終値は522円、前期推定連結PER(会社予想連結EPS40円85銭で算出)は約13倍、前期推定配当利回り(会社予想20円で算出)は約3.8%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS1388円62銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約195億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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