【編集長の視点】アサンテは配当権利落ち後安値から続急伸、月次売上高発表を先取りし下げ過ぎ修正
- 2020/4/8 08:23
- 編集長の視点
アサンテ<6073>(東1)は、前日7日に42円高の1460円と続急伸して引け、今年4月3日につけた配当権利落ち後安値1379円から再び底上げする動きを強めた。4月6日に発表予定の今年3月の月次売上高を先取りし、2020年3月期の連続最高更新予想を見直し下げ過ぎ修正買いが増勢となった。2月の月次売上高は、前年同月比2.9%増とプラス転換し、3月月次売上高に期待したもので、実際に前日大引け後に開示した3月の月次売上高は、8.2%減と小幅減少にとどめ、2020年3月期通期累計売上高も前期比微減となった。株式需給的にも、信用取組が薄めながら売り長となっており、売り方の買い戻しが期待されるとして買い手掛かりとなっている。
■2月月次売上高は2.9%増となり3月売上高は2月実績をオーバー
3月の月次売上高は、前年同月を1億500万円、8.2%下回る11億8600万円となりマイナスとなったが、絶対額では2月月次売上高の10億4000万円(前年同月比2.9%増)を上回った。このため2020年3月期の累計売上高は、144億3200万円となり、前年同期に比べて6800万円、0.5%減の小幅減にとどめ、期後半の天候不順や新型コロナウイルスの感染拡大などの大逆風が吹いた環境下では相対的に健闘したことを示した。
一方、 目下集計中で今年5月8日に発表予定の2020年3月期業績は、売り上げ154億3000万円(前期比6.4%増)、営業利益26億1500万円(同14.4%増)、経常利益26億2800万円(同13.6%増)、純利益17億5200万円(同15.6%増)と連続の過去最高更新が予想されている。昨年9月の阪神営業所開設による西日本エリア需要の開拓、新規の地震対策事業や湿気対策事業の多角化効果などが寄与する。前年同期比で微減益となった第3四半期(2019年4月~12月期、3Q)業績は、3月期通期予想業績対比で80%超の高利益進捗率となり、連続過去最高更新の期待を高めている。なお同社は、2013年3月19日の新規株式上場以来、7年連続で増配し2020年3月期は年間60円を予定、合わせて株主優待策も実施する。
■年初来調整幅の半値戻し奪回で弾みをつけ全値戻しを目指す
株価は、新型コロナウイルスの感染拡大による世界同時株安に巻き込まれて昨年来安値1283円へ突っ込み、同安値から配当・優待権利取りで1663円まで3割高し、権利落ちとともに1379円まで再調整した。前期推定ベースのPERは10倍台となお下げ過ぎを示唆しており、株式需給的にも信用取組が薄めながら0.49倍と売り長となっており一段の底上げを支援しよう。年初来高値2058円から同安値までの調整幅の半値戻しとなる配当権利付き高値1663円奪回で弾みをつけ、全値戻しを目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)