- Home
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
- トーソーは売り一巡
トーソーは売り一巡
- 2020/4/9 05:06
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
トーソー<5956>(東2)はカーテンレールやインテリアブラインドの大手である。なお新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言で、東京、大阪、名古屋の各ショールームを臨時休館する。当面は影響に注意が必要となるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化で年初来安値を更新する場面があったが、売り一巡して出直りを期待したい。
■カーテンレール・インテリアブラインドの大手
カーテンレールやインテリアブラインドの大手で、国内市場シェアはカーテンレールが約50%、ブラインドが約15%である。
室内装飾関連事業(カーテンレール類、ブラインド類、間仕切類)を主力として、介護用品事業(ステッキなど)も展開している。19年3月期のセグメント別売上高構成比は室内装飾関連事業が98%、介護関連用品等その他事業が2%だった。収益面では、新設住宅着工件数やリニューアルなど住宅関連市場の影響を受け、第4四半期の構成比が高い特性がある。
中期成長戦略では「窓辺の総合インテリアメーカー」として、高付加価値商品の拡販、インテリアトレンドに合わせた特長ある商品や省エネ・節電対応など新商品開発のスピードアップ、コスト競争力の強化、ホテルや商業施設など非住宅分野における需要の取り込み、大型物件の獲得や新興国の消費需要取り込みによる海外売上高の拡大、新規領域としての介護用品事業の拡大などの施策を強化している。
■20年3月期減益予想
20年3月期連結業績予想は、売上高が19年3月期比0.7%増の228億円、営業利益が12.8%減の6億円、経常利益が13.0%減の6億10百万円、純利益が10.1%減の4億円としている。配当予想は19年3月期と同額の10円(第2四半期末5円、期末5円)である。
第3四半期累計は、売上高が前年同期比1.1%増の165億70百万円、営業利益が2.4倍の6億02百万円、経常利益が2.3倍の6億19百万円、そして純利益が2.9倍の4億24百万円だった。売上の伸びは小幅だが、資材歩留まり改善や生産工程見直しなどの原価低減効果で、売上総利益率が2.1ポイント改善して大幅増益だった。
通期は事業環境が厳しく減益予想だが、第3四半期累計の利益は通期予想を超過達成した。通期上振れの可能性がありそうだ。なお新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言で、東京、大阪、名古屋の各ショールームを臨時休館する。当面は影響に注意が必要となるが、中期的に収益拡大を期待したい。
■株主優待制度を一部変更
株主優待制度は一部変更した。20年3月31日基準から保有株式数および継続保有期間に応じた優待内容(詳細は会社HP参照)とする。
■株価は売り一巡
株価は地合い悪化で年初来安値を更新する場面があったが、売り一巡して出直りを期待したい。4月8日の終値は406円、前期推定連結PER(会社予想連結EPS40円61銭で算出)は約10倍、前期推定配当利回り(会社予想の10円で算出)は約2.5%、前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS1223円39銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約41億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)