【編集長の視点】ALiNKは14日の決算発表を先取り業績上ぶれ着地期待を高めて急反発
- 2020/4/15 08:29
- 編集長の視点
ALiNKインターネット<7077>(東マ)は、前日14日に158円高の2259円と急反発して引け、東証マザーズ市場の値上がり率ランキングの第49位にランクインした。今年3月23日に突っ込んだ上場来安値1435円からの底上げを鮮明化させた。同社株は、当日14日に2020年2月期業績の発表を予定しており、これを先取りして第3四半期(2019年3月~11月期、3Q)の高利益進捗率業績を手掛かりに業績上ぶれ着地、2021年2月期業績も、今年3月17日に開示した特別利益の計上で続伸ガイダンスをそれぞれ期待し、売られ過ぎ訂正買いが再燃した。実際に14日大引け後に開示した2020年2月期業績は、先取り通りに昨年12月10日の新規株式公開(IPO)時の予想を上ぶれて着地し、続く2021年2月期純利益は、2期ぶりの過去最高更新を見込んでいる。
■天気予報専門サイト「tenki.jp」のPVが前期比2.2倍と高成長
2020年2月期業績の上ぶれ着地期待を高めた前期3Q業績は、営業利益、経常利益の進捗率が97%~99%に達し、純利益がすでに通期予想を上回った。一方、きょう14日に発表予定の2020年2月期業績は、IPO時にIPOの体制整備、上場関連費用増などを考慮して減益店転換を予想していた。しかし、実際に前日大引け後に発表した2020年2月期業績は、売り上げ7億4300万円(前期比7.2%増)、営業利益3億5000万円(同0.2%増)、経常利益3億2700万円(同4.8%減)、純利益2億2600万円(同2.7%減)で着地した。
IPO時予想に比べ売り上げは4900万円、利益は3300万円~4300万円それぞれ上ぶれ、営業利益は続伸し、経常利益、純利益は減益転換率を縮小させた。天気予報専門サイト「tenki.jp」のページビュー(PV)が、相次ぐ台風上陸などで異常気象リスクへの関心が高まり、前期比2.20倍の47億9000万(PV)と高成長し、ツイッターアカウントも、約283万フォロワーに拡大したことなどが寄与した。続く2021年2月期業績は、売り上げ7億9900万円(前期比7.5%増)、営業利益3億7700万円(同7.7%増)、経常利益3億6600万円(同11.9%増)、純利益2億8100万円(同24.9%増)と見込んでいる。今年3月17日に発表した生命保険の解約に伴う約6000万円の特別利益も上乗せして、純利益は大幅増益転換して2019年2月期の過去最高(2億3200万円)を2期ぶりに更新する。
■最安値から1000円幅の底上げでミニGCを示現し上昇トレンド転換
株価は、公開価格1700円でIPOされて4020円で初値をつけ、上場来高値5340円まで買い進まれ公開価格比3.14倍の高人気となった。この反動に加えて新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)による世界同時株安が追い討ちとなり、公開価格も割れ上場来安値1435円まで大きく調整、大底打ちのシグナルといわれる「半値八掛け2割引き」水準も割り込んだ。このため売られ過ぎとして同安値から約1000円幅の底上げと急速に戻し、5日線が25日線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現し上昇トレンド転換を鮮明化させた。まず最高値から最安値への調整幅の3分の1戻しの2700円台奪回に進もう。(本紙編集長・浅妻昭治)