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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】アライドテレシスHDは80円近辺が下値支持線、営業損益改善基調を評価して切り返し
- 2014/10/27 07:36
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ネットワーク機器製造・販売のアライドテレシスホールディングス<6835>(東2)の株価は、全般地合い悪化も影響して9月24日94円から10月16日と17日の80円まで調整したが、8月安値80円近辺が下値支持線の形だ。営業損益改善基調を評価して切り返しの展開だろう。7月と9月の戻り高値94円を突破すれば上げ足に弾みがつきそうだ。なお11月11日に第3四半期累計(1月~9月)の業績発表を予定している。
世界23カ国・40連結子会社を統括する純粋持株会社で、ネットワーク関連機器およびソリューションの企画・開発・製造・販売・保守事業などを展開している。
今期(14年12月期)の連結業績見通しは前回予想(2月12日公表)を据え置いて売上高が前期比14.6%増の343億円、営業利益が7億円(前期は12億84百万円の赤字)、経常利益が同27.8%減の5億50百万円、純利益が同4.8%増の1億円で、配当予想が同1円減配の年間2円(期末一括)としている。
想定為替レートは1米ドル=105円で、ソリューション販売の強化と付加価値サービスの拡充、米国における政府系案件の受注増加、中南米における新規顧客開拓、アジア・オセアニアにおけるパナソニック<6752>とのパートナーシップによる監視カメラソリューションの提供、国内におけるIT関連投資の需要増加、円安に伴う国内販売価格の改定、在庫の適正化、社内ITインフラ投資一巡による経費削減効果などで、営業損益が大幅に改善する見通しだ。
なお10月3日に製品の自主回収を発表した。PoEスイッチのうち一部機種について、装置内電源ユニットの故障により稀に焼損に至る可能性があることが判明したため、万一の場合を考慮して対象機器・ロットに対して無償修理の実施を決定した。対象は3機種合計1万5211台で、本件が業績に与える影響額については精査中としている。
第2四半期累計(1月~6月)は売上高、利益とも期初計画を下回ったが、日本および米州での販売が好調に推移して前年同期比10.8%増の2桁増収となり、増収効果と売上総利益率上昇で営業赤字幅が縮小した。現時点では自主回収の影響が不明だが、通期ベースでも営業損益の改善基調が期待され、ドル高・円安の進行で営業外損益の外貨建て資産に係る為替差益計上も期待されるだろう。
株価の動きを見ると、9月24日に94円まで上伸して7月の戻り高値に面合わせする場面があった。その後は全般地合い悪化も影響して10月16日と17日に80円まで調整したが、8月安値80円を割り込むことなく足元では切り返しの動きを強めている。
10月24日の終値83円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS87銭で算出)は95倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間2円で算出)は2.4%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS94円16銭で算出)は0.9倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、80円近辺が下値支持線の形だ。営業損益改善基調を評価して切り返しの展開だろう。7月と9月の戻り高値94円を突破すれば上げ足に弾みがつきそうだ。