【編集長の視点】スペースバリューHDは続落も純益V字回復をテコに低位割安株買いが交錯し下げ渋る

 スペースバリューホールディングス<1448>(東1)は、前日16日に7円安の315円安と続落して引けた。日経平均株価が、259円安と急続落したことにツレ安したが、4月6日につけた配当権利落ち後の上場来安値290円を前に下げ渋る動きもみせた。目下集計中で今年5月14日に発表予定の2020年3月期純利益が、V字回復と予想されていることを見直し低位割安株買いが交錯した。新型コロナウイルスの感染拡大、病床不足に対応して神奈川県の黒岩祐治知事が、プレハブの仮設病床を180床新設する方針を発表したことも、今後の医療体制の強化に向けた関連材料として底流し買い手掛かりとなっている。

■特別調査費用と減損損失の一巡に開発用不動産の売却益が上乗せ

 2020年3月期業績は、売り上げ860億円(前期比0.4%増)、営業利益31億円(同27.7%減)、経常利益33億円(同24.4%減)、純利益21億円(同8.04倍)の増減マチマチと予想されている。売り上げは、システム建築事業で工場、倉庫の建築が堅調に推移し、レンタル事業では学校施設の耐震化による仮設校舎や事務所などが増加、立体駐車場事業でもビジネスホテルや商業施設向けの建築が増加したことなどで増収をキープしたが、営業利益、経常利益は、前々期発生の不適切会計の再発防止策費用の計上で減益となった。

 純利益は、前期に計上した特別調査費用3億2400万円やホテルなど開発事業資産の減損損失29億6800万円が一巡し、今年1月にホテル事業の撤退に向け開発用の不動産を売却した特別利益も上乗せとなりV字回復する。なお2020年3月期の配当は、年間25円の高水準を予定している。

■PER5倍台の低位値ごろ妙味を発揮してまず年初来調整幅の半値戻し

 株価は、年初来高値603円から500円台央での中段固めを続け、新型コロナウイルス感染症拡大による世界同時株安の影響と配当権利落ちが重なって上場来安値290円まで調整、売られ過ぎ修正にブレハブの仮設病床関連人気がオンして338円までリバウンドして300円台固めを続けている。PERは5倍台、PBRは0.4倍となお売られ過ぎを示唆しており、値ごろ妙味もオンしてまず年初来高値から同安値への調整幅の半値戻しの446円を奪回、全値戻しにトライしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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