ヒーハイスト精工は反発の動き

 ヒーハイスト精工<6433>(JQ)は小径リニアボールブッシュの世界トップメーカーである。直動機器を主力として精密部品加工なども展開している。当面は新型コロナウイルス感染症拡大による経済収縮の影響が懸念材料となるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は下値を切り上げて反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■小径リニアボールブッシュの世界トップメーカー

 球面加工技術や鏡面加工技術をコア技術として、直動機器(リニアボールブッシュや球面軸受けなど)、精密部品加工(レース用部品や試作部品の受託加工など)、ユニット製品(液晶製造装置向けなど)を展開している。小径リニアボールブッシュの世界トップメーカーである。

 主力のリニアボールブッシュは、機械装置の稼働部に用いられる部品で、金属と金属の接触面を鋼球が転がりながら移動することで摩擦による影響を低減し、機械装置の寿命を延ばす役割を担っている。

 19年3月期の製品別売上構成比は直動機器59%、精密部品加工31%、ユニット製品10%である。主要販売先はTHK<6481>および本田技研工業<7267>である。収益面では産業機械・電子部品・自動車関連の設備投資動向の影響を受けやすく、設備投資関連のため四半期業績が変動しやすい特性もある。

 収益力向上および経営基盤強化に向けた重点方針として、生産能力向上とコストダウンによる採算性向上、QCDの徹底追求による顧客対応力の強化、顧客ニーズに適合した応用製品の開発と販売、主力製品リニアボールブッシュの競争力強化による拡販、提案型技術営業による新規顧客開拓、海外販売網の構築・強化、従業員の上昇志向と能力の向上を掲げている。

■20年3月期赤字予想

 20年3月期連結業績予想(11月11日に下方修正、2月10日に2回目の下方修正)は、売上高が19年3月期比15.9%減の23億13百万円、営業利益が3百万円の赤字(19年3月期は1億77百万円の黒字)、経常利益が11百万円の赤字(同1億77百万円の黒字)、純利益が18百万円の赤字(同1億11百万円の黒字)としている。配当予想(11月11日に期末2円下方修正、2月10日に期末1円下方修正)は3円減配の1円(期末一括)としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比14.4%減の17億92百万円、営業利益が93.5%減の11百万円だった。主力の直動機器が産業用機械業界向けの需要減少で25.2%減収となり、全体として大幅減収減益だった。なお精密部品加工は1.0%増収、ユニット製品は6.4%増収と堅調だった。

 当面は新型コロナウイルス感染症拡大による経済収縮の影響が懸念材料となるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は下値を切り上げて反発の動きを強めている。出直りを期待したい。4月16日の終値は231円、前期推定配当利回り(会社予想の1円で算出)は約0.4%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS534円58銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約15億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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