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トシン・グループは売り一巡
- 2020/5/1 06:01
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トシン・グループ<2761>(JQ)は首都圏中心に電設資材などの卸売事業を展開している。当面は新型コロナウイルス感染症と緊急事態宣言による経済収縮の影響が懸念材料となるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は下値を切り上げて売り一巡感を強めている。出直りを期待したい。
■首都圏中心に電設資材や住宅設備機器の卸売事業を展開
首都圏中心に電設資材や住宅設備機器などの卸売事業を展開している。小口多数販売、専門部署による得意先営業活動支援サービスなどを特徴とし、事業基盤強化や収益拡大に向けて、取扱商品や営業拠点網の拡充を推進している。
収益面では、新設住宅着工戸数など建設関連投資の動向が影響し、第4四半期(3月~5月)の構成比が高い特性がある。利益還元については、将来の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保を確保する一方で、財務状況、利益水準、配当性向などを総合的に勘案して、前年実績を下回らない安定した配当を実施することを基本方針としている。
■20年5月期横ばい予想
20年5月期(20日締め)連結業績予想は、売上高が19年5月期比1.1%増の445億円、営業利益が2.1%増の22億75百万円、経常利益が1.4%増の31億30百万円、純利益が1.0%増の20億50百万円としている。配当予想は19年5月期と同額の56円(第2四半期末28円、期末28円)である。
新規得意先開拓や既存得意先の深掘り、リフォーム需要や省エネ関連需要の取り込みを推進するが、新築住宅着工戸数減少や競合激化など厳しい市場環境で利益横ばい予想としている。
第3四半期累計は売上高が前年同期比0.1%増の325億90百万円、営業利益が2.5%減の16億32百万円、経常利益が2.2%増の23億12百万円、純利益が5.9%増の16億04百万円だった。新築住宅着工戸数が減少傾向で厳しい事業環境が続いているが、採算重視の営業活動などで営業利益は微減益にとどまった。通期予想に対する進捗率は売上高が73.2%、営業利益が71.7%と概ね順調だった。
当面は新型コロナウイルス感染症と緊急事態宣言による経済収縮の影響が懸念材料となるが、中期的に収益拡大を期待したい。
■株価は売り一巡
株価は4月の安値圏から徐々に下値を切り上げて売り一巡感を強めている。出直りを期待したい。4月30日の終値は6000円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS251円42銭で算出)は約24倍、今期予想配当利回り(会社予想56円で算出)は約0.9%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS4397円96銭で算出)は約1.4倍、時価総額は約684億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)