【編集長の視点】リックソフトは連続最高業績見直しにテレワーク関連株買いがオンして急反発
- 2020/5/7 09:37
- 編集長の視点
リックソフト<4429>(東マ)は、大型連休前の5月1日に100円高の4590円と3営業日ぶりに急反発して引けた。今2021年2月期業績が、6期連続の過去最高更新と予想されていることを見直し、売られ過ぎ修正買いが再燃した。また「緊急事態宣言」の期限が、5月31日まで延長されたことから、テレワークの導入企業の一段の拡大が見込まれ、同社のテレワーク関連の独自ビジネスモデルを評価する買い物もオンしている。
■アトラシアン製品の新規導入が続き自社開発ソフトも上乗せ
同社の2021年2月期業績は、売り上げ39億600万円(前期比26.5%増)、営業利益5億4000万円(同34.3%増)、経常利益5億4400万円(同35.3%増)、純利益3億7800万円(同31.0%増)と大きく続伸が予想され、経常利益は6期連続で過去最高を更新する。世界で16万社の顧客を有する豪州アトラシアン社の最上位の「プラチナパートナー」としてアジャイル(俊敏)型のプロジェクト管理ツール「Jira Cloud」のライセンス販売に注力して、新規導入顧客向け売り上げと既存顧客のストック売り上げが相乗し、自社開発のソフトウエア「WBS Gantt-Chart for Jira Cloud」も、アトラシアン社のマーケットプレイス経由で海外販売が、大幅続伸することなどが寄与する。
またテレワーク関連では、単にテレワーク環境を提供するだけにとどまらず、昨年11月にSlack Technologies社(米国カリフォルニア州)のパートナープログラムに参画し、ネット上で短文のビジネスチャットを行うビジネスコラボレーションツール「Slack」のサービスを開始しており、これとアトラシアン社製品を組み合わせて現場とマネージャーをつなぎ、チーム業務を見える化してマネージメント機能を強化してテレワークそのもの生産性を向上させる独自のビジネスモデルとなっている。今後、テレワーク導入企業の拡大とともに、関連需要により業績寄与も期待されている。
■25日線を上抜き値幅効果を発揮して分割権利落ち後高値にキャッチアップ
株価は、今年2月の株式分割権利落ち後高値7260円から新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)による世界同時株安の影響を受けて分割権利落ち後安値3560円まで売られ、同安値からは下げ過ぎ訂正にテレワーク関連人気、さらに今期の6期連続の最高更新業績がオンして6500円の戻り高値まで8割高し値幅効果を発揮した。同戻り高値からは、原油先物価格が史上初のマイナス価格に急落し日経平均株価が、2週間ぶりに1万9000円台を割ったことにツレ安して4240円まで再調整し、25日移動平均線を窺う値固めを続けてきた。折から始まった決算発表では今期業績予想を未定とする企業や発表自体を延期する企業が続出するなか、数少ない連続最高業績予想銘柄として見直されテレワーク関連人気もオンして再騰し、値幅効果の再発揮が有力で、戻り高値奪回から分割落ち後高値にキャッチアップしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)