【特集】キー・ワードは、PCR検査・抗体検査、ワクチン・治療薬の開発関連銘柄
- 2020/5/11 08:46
- 特集
当特集は、大型連休明け後に「AC(コロナ後、After Corona)」にアクセルを踏むためのキー・ワードは、PCR検査・抗体検査、ワクチン・治療薬の開発で、この関連株は引き続きベース銘柄人気をキープするとして注目した。連休明け後の前週は、関連株のなかにストップ高銘柄とストップ安銘柄が交錯する値動きの荒い相場展開となったが、なおマグマを内包しているとみたい。
■参入ラッシュのなか検査精度、迅速性などを競ってサバイバル
PCR検査・抗体検査関連株も、ワクチン・治療薬開発株も、参入ラッシュが続き百花繚乱の賑わいだがまだ本命株のコンセンサスは形成されていない。とういことはどのPCR検査関連株にも、検査精度、検査時間の迅速性など競って本命株となる可能性があるわけで、幅広くマークする必要がある。PCR検査では、検査キットのクラボウ<3106>(東1)、カネカ<4118>(東1)、みらかホールディングス<4544>(東1)、栄研化学<4549>(東1)、キョーリン製薬ホールディングス<4569>(東1)、島津製作所<7701>(東1)が顔を並べ、子会社が共同開発のキヤノン<7751>(東1)も関連株となる。検査器具・診断システムではプレシジョン・システム・サイエンス<7707>(東マ)、リコー<7752>(東1)、プロルート丸光<8256>(JQS)も外せない。
PCR検査が保険適用となったことでPCR検査受託のトランスジェニック<2342>(東マ)、ビー・エム・エル<4694>(東1)も関連し、抗体検査では塩野義製薬<4507>(東1)、医学生物学研究所<4557>(JQS)などが該当する。
■横一線の開発競争は本命株探しにヒートアップ
ワクチンでは、大阪大学とDNAワクチンを共同開発のアンジェス<4563>(東マ)は、ストップ高を交えて11連騰したあと、前週末はストップ安と猛烈な利益確定売りの直撃を受けた。同開発に参画のヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ<6090>(東マ)も、前週末に取引時間中にストップ高したあと大引けでは今度はストップ安と売り買いが交錯した。同様に新日本科学<2395>(東1)、ダイセル<4202>(東1)、EPSホールディングス<4282>(東1)、フューチャー<4722>(東1)、タカラバイオ<4974>(東1)も参画発表で大きく動意付いた。また塩野義製薬のグループ会社のUMNファーマ<4585>(東マ)も親会社と共同開発する。
治療薬では、米国のギリアド・サイエンシズ社の「レムデシビル」が、国内の薬事承認第1号となり、この製造原材料を提供する広栄化学工業<4367>(東2)は、前週末にストップ高した。続いて月内にも承認とされるのが富士フイルムホールディングス<4901>(東1)の「アビガン」で同薬にデンカ<4061>(東1)やカネカ<4118>(東1)、さらに広栄化学も原料や原薬を供給する。武田薬品工業<4502>(東1)も、血漿分割製剤の開発を開始し、花王<4452>(東1)も感染制御の抗体作製に成功し、既存薬のなかから有効性の臨床試験を進めているのが、帝人<3401>(東1)、日医工<4541>(東1)である。またノーベル賞の生理学・医学賞を受賞した大村智氏が開発して有効性に期待を高めている抗寄生虫薬を販売するマルホ(大阪市)が、第2位株主となっているソレイジア・ファーマ<4597>(東マ)もなお思惑継続となりそうだ。ワクチンも治療薬も、横一線の開発競争となっており、本命株探しはなお紆余曲折しヒートアップしそうだ。
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