JPホールディングスの前3月期業績は経常利益が4.3%増など連続増収増益

■今期は新型コロナの影響で7月まで児童の増加など見込まず

JPホールディングス<2749>(東1)が5月13日の取引終了後に発表した2020年3月期の連結決算は、「幼児教育・保育の無償化」(19年10月開始)にともない、中期的にも保育所への需要が増加する環境になったことなどを受け、売上高は317億1900万円(前期比8.3%の増加)となり、経常利益は20億300万円(同4.3%の増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は11億2200万円(同4.8%の増加)となった。

■5月末まで一部施設の休園継続など前提に増収増益めざす

 ただ、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、「緊急事態宣言」発令後は一部の施設(保育所・学童クラブ・児童館)を臨時休園・休室・休館とし、残る施設は厳しい状況下で安全確保を最優先しながら運営を続けている。

 こうした状況を踏まえ、今期を到達年度として進行中の「中期経営計画」(19年3月期~21年3月期)の今期計画値を見直し、今期・21年3月期の連結売上高は、これまでの計画の350億円を5.7%引き下げて300億500万円の見込み(前期比では4.1%の増加)とした。

■連結経常利益は20年3月期比7.5%増の21.53億円を見込む

 前提として、一部施設の休園・休室・休館が5月末まで継続する、7月までの受入れ児童の増加を見込まない、新規施設開設の抑制、などに基づき、経常利益は同じく27億円の計画を20.3%引き下げて21億5300億円の見込み(同7.5%の増加)とし、親会社株主に帰属する今期純利益は11億6300万円(同3.6%の増加)、予想1株利益は13円30銭の見込みとした。

 20年3月期(累計期間)の新規開設施設数は、保育所10園(東京都9園、滋賀県1園)、学童クラブ2施設(東京都2施設)の計12施設。この結果、3月末における保育所は209園、学童クラブは72施設、児童館は11施設、民間学童クラブは4施設、幼稚園(海外施設)は1園となり、子育て支援施設の合計は297施設となった。

■毎朝の検温・手洗い・うがい・アルコール消毒など徹底した安全対策

 預かる園児・保護者・取引先・従業員の安全確保を最優先に考え、各施設においては、毎朝の検温・手洗い・うがい・アルコール消毒・マスク着用のもと、独自の対応基準を設け、徹底した安全対策を講じると共に、本社・東京本部においては時差出勤やテレワークを実施するなど、迅速に対応を行ってきた。

 今期は、冒頭のような情勢を受け、中期計画で予定していた新規開園数を15施設から5施設に抑制する。保育士の確保は首都圏を中心に依然として厳しい状況が続いているが、引き続き、子育てサービスの「質」の向上を最優先としながら、受け入れ児童数と人員配置の適正化、業務見直しによる運営・間接コストの軽減、などの構造改革を進めるとした。(HC)

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