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システムサポートは高値に接近、20年6月期業績予想を上方修正
- 2020/5/14 07:36
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
システムサポート<4396>(東1)は、データベース関連・クラウド関連・ERP関連のソリューション事業を主力としている。20年6月期第3四半期累計は大幅増収増益だった。そして通期業績予想を上方修正した。新型コロナウイルスによる業績への直接的な影響は限定的だろう。収益拡大を期待したい。株価は2月の上場来高値に接近している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。なお20年6月1日付で1株を2株に分割する。
■ソリューション事業が主力
データベース関連・クラウド関連・ERP関連サービスなどのソリューション事業を主力として、データセンターサービスやシステム保守・運用などのアウトソーシング事業、パッケージソフト開発・販売などのプロダクト事業も展開している。
19年6月期のセグメント別(連結調整前)売上構成比は、ソリューション事業が82%、アウトソーシング事業が13%、プロダクト事業が4%、その他が1%、営業利益構成比はソリューション事業が73%、アウトソーシング事業が17%、プロダクト事業が9%、その他が1%だった。
主力のソリューション事業は、Oracleデータベースの設計・構築・保守・運用などのデータベース関連サービス、AWSやAzureの基盤構築・導入・移行支援などのクラウド関連サービス、SAPの導入・保守・運用などのERP関連サービス、およびITシステム開発を展開している。
収益力向上に向けてストック収益のプライベート型クラウドサービスを拡大するため、地震の少ない金沢市にデータセンターを設置し、プロダクト事業では自社開発の統合型基幹システム「役者」シリーズの拡販を推進している。また米国シリコンバレーに子会社を設立し、最先端のIT技術・サービスの発掘に努めている。
■データベース領域やクラウド領域での高い技術力が強み
データベース領域やクラウド領域での高い技術力を強みとしている。
データベース領域では、Oracleデータベース技術者に対する最高峰の認定資格ORACLE MASTER Platinum保有者数が国内累計3位、単年2位(18年8月時点)である。また19年度のORACLE Cloud Platform(PaaS/IaaS)認定資格取得数が国内1位となり、ORACLE Certification Awardを受賞した。
クラウド領域では、米アマゾン社のクラウドサービスAWSに関して、AWSコンピテンシープログラムでOracleコンピテンシーを取得している日本企業3社のうちの1社である。さらに、米マイクロソフト社のクラウドサービスAzureに関して、Gold Cloud Platformパートナーに認定されている。
■20年6月期業績予想を上方修正
20年6月期連結業績予想(5月13日に上方修正)は、売上高が19年6月期比12.3%増の132億09百万円、営業利益が33.1%増の7億05百万円、経常利益が31.1%増の6億60百万円、純利益が17.1%増の4億04百万円としている。配当予想(2月12日には14円増額修正)は20円(20年6月1日付株式2分割後の表示は10円、期末一括)としている。株式2分割前に換算して比較すると19年6月期の3円に対して17円増配となる。
第3四半期累計は、売上高が前年同期比19.1%増の100億13百万円、営業利益が50.9%増の6億93百万円、経常利益が48.7%増の6億56百万円、純利益が39.2%増の4億03百万円だった。クラウドサービス利用支援分野を中心に受注が拡大し、生産性向上による原価率改善なども寄与して大幅増益だった。なお特別損失にアウトソーシングセンタービルに係る減損損失を計上した。
ソリューション事業は20.8%増収で24.0%増益だった。物流業の基幹システム更新案件、消費税率改正に伴う機器・ライセンス販売に加えて、各種クラウドサービス利用支援分野の受注拡大が寄与した。
アウトソーシング事業は10.4%増収で4.4%増益だった。データ入力・分析業務における前期高利益率案件の反動があったが、AI関連サービスを含めたデータセンター業務が堅調だった。
プロダクト事業は19.2%増収で25.9%増益だった。建て役者(住宅業向け工事情報管理システム)およびMOS(小売業向けモバイル受発注システム)が拡大し、ライセンス・保守の積み上げも寄与した。特に建て役者の高利益率カスタマイズ案件が利益を押し上げた。
新型コロナウイルスについては、プロダクト事業で展示会中止による新規リード顧客減少が見込まれるとしているが、業績への直接的な影響は限定的だろう。収益拡大を期待したい。
■株価は高値に接近
株価(1株当たり数値は20年6月1日付株式2分割前)は2月の上場来高値に接近している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。5月12日の終値は3045円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS69円80銭で算出)は約44倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約0.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS392円75銭で算出)は約7.8倍、時価総額は約153億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)