- Home
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
- トーソーは戻り試す
トーソーは戻り試す
- 2020/5/15 07:37
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
トーソー<5956>(東2)はカーテンレールやインテリアブラインドの大手である。21年3月期は減収減益予想としている。当面は新型コロナウイルスの影響が懸念材料となるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は4月の安値圏から急反発している。戻りを試す展開を期待したい。
■カーテンレール・インテリアブラインドの大手
カーテンレールやインテリアブラインドの大手で、国内市場シェアはカーテンレールが約50%、ブラインドが約15%である。
室内装飾関連事業(カーテンレール類、ブラインド類、間仕切類)を主力として、介護用品事業(ステッキなど)も展開している。20年3月期のセグメント別売上高構成比は室内装飾関連事業が98%、その他が2%だった。収益面では、新設住宅着工件数やリニューアルなど住宅関連市場の影響を受け、第4四半期の構成比が高い特性がある。
中期成長戦略では「窓辺の総合インテリアメーカー」として、高付加価値商品の拡販、インテリアトレンドに合わせた特長ある商品や省エネ・節電対応など新商品開発のスピードアップ、コスト競争力の強化、ホテルや商業施設など非住宅分野における需要の取り込み、大型物件の獲得や新興国の消費需要取り込みによる海外売上高の拡大、新規領域としての介護用品事業の拡大などの施策を強化している。
■21年3月期減益予想
20年3月期連結業績は、売上高が19年3月期比0.2%増の226億87百万円、営業利益が30.9%増の9億円、経常利益が26.1%増の8億84百万円、純利益が31.0%増の5億83百万円だった。配当は19年3月期と同額の10円(第2四半期末5円、期末5円)とした。
事業環境が厳しく売上の伸びは小幅だが、原価低減活動や生産性向上への取り組みの効果で利益は計画を大幅に上回り、減益予想から一転して大幅増益で着地した。
21年3月期連結業績予想は売上高が20年3月期比3.0%減の220億円、営業利益が22.3%減の7億円、経常利益が19.7%減の7億10百万円、純利益が19.4%減の4億70百万円としている。配当予想は20年3月期と同額の10円(第2四半期末5円、期末5円)である。
厳しい事業環境が続くが、新製品開発力や市場対応力の強化に取り組む方針としている。当面は新型コロナウイルスの影響が懸念材料となるが、中期的に収益拡大を期待したい。
■株主優待制度を一部変更
株主優待制度は一部変更し、20年3月31日基準から保有株式数および継続保有期間に応じた優待内容(詳細は会社HP参照)とした。
■株価は戻り試す
株価は4月の安値圏から急反発している。戻りを試す展開を期待したい。5月14日の終値は463円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS50円38銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の10円で算出)は約2.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1317円05銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約46億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)