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ディ・アイ・システムは戻り試す
- 2020/5/18 05:08
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ディ・アイ・システム<4421>(JQ)は独立系の情報サービス企業で、システムインテグレーション事業を主力としている。20年9月期は先行投資で減益予想だが、第2四半期累計は計画超で着地した。新型コロナウイルスによる業績への直接的な影響は限定的だろう。通期も上振れを期待したい。株価は反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。
■システムインテグレーション事業が主力
独立系の情報サービス企業である。システムインテグレーション事業(業務システムの設計・開発、ITインフラの設計・構築、および運用・保守)を主力として、教育サービス事業(新入社員・中堅技術者向けIT研修)も展開している。
19年9月期の売上構成比は、システムインテグレーション事業95%、教育サービス事業5%、売上総利益構成比はシステムインテグレーション事業93%、教育サービス事業7%だった。
システムインテグレーションの顧客別売上構成比は元請けが14%、一次・二次請けが86%だった。NTTコミュニケーションズなど大手SIerとの長期取引関係を事業基盤としている。
なお新型コロナウイルスに伴う企業のテレワーク導入に関して、遠隔でIT技術者研修を受講できるリモート研修サービスの提供期間を5月29日まで延長している。また5月7日にはテレワーク環境構築を支援するテレワーク推進サービスの提供を開始した。
■20年9月期減益予想だが2Q累計は計画超
20年9月期連結業績予想は、売上高が19年9月期比17.3%増の45億22百万円、営業利益が41.4%減の1億38百万円、経常利益が38.3%減の1億35百万円、純利益が39.5%減の94百万円としている。配当予想は19年9月期と同額の25円(期末一括)である。
新規案件獲得増加で2桁増収だが、内部管理体制強化に伴うソフトウェア投資、大阪事業所オフィスの増床、横浜サテライトオフィス新設など、中期成長に向けた先行投資の時期と位置付けて大幅減益予想である。
第2四半期累計は、売上高が前年同期比20.7%増の21億46百万円、営業利益が25.2%減の98百万円、経常利益が14.7%減の98百万円、そして純利益が16.4%減の61百万円だった。
内部管理体制強化に伴うソフトウェア投資、業容拡大に伴うオフィス新設・増床などの先行投資で減益だが、システムインテグレーション事業が好調に推移して売上、利益とも計画超で着地した。新型コロナウイルスによる業績への直接的な影響は限定的だろう。通期も上振れを期待したい。
■先行投資を21年9月期から回収する戦略
中期経営計画では目標値として、22年9月期売上高57億19百万円、売上総利益11億83百万円、営業利益3億04百万円を掲げている。20年9月期に実施する成長投資を21年9月期から確実に回収する戦略だ。中小規模案件の元請け獲得を加速させるワンストップ体制の強化・拡大にも取り組む。20年9月期は先行投資負担で減益予想だが、中期的に収益拡大を期待したい。
■株価は戻り試す
株価は反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。5月15日の終値は1195円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS61円69銭で算出)は約19倍、今期予想配当利回り(会社予想の25円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS568円70銭で算出)は約2.1倍、時価総額は約18億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)