アーバネットコーポレーションは戻り試す

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 アーバネットコーポレーション<3242>(JQ)は投資用・分譲用マンションの開発・販売を展開している。20年6月期第3四半期は減収減益だったが、第4四半期に大型物件の売上計上を予定しているため通期は増収増益予想である。新型コロナウイルスの影響については、工事の進捗遅れなどで引き渡しの期ズレの可能性があるものの、今期販売予定物件はすべて契約締結済みであり、現時点で業績計画に変更はないとしている。通期ベースで収益拡大を期待したい。株価は3月の安値圏から急反発している。戻りを試す展開を期待したい。

■投資用・分譲用マンションの開発・販売

 東京23区中心に投資用・分譲用マンションの開発・販売を展開している。アウトソーシングを積極活用し、少数精鋭の組織体制で固定費の極小化を図っている。

 親会社の同社は投資用ワンルームマンション開発・1棟販売や分譲マンション開発などBtoB卸売、子会社のアーバネットリビングは同社開発物件の戸別販売、他社物件の買取再販、マンション管理・賃貸などBtoC小売を基本事業としている。

 自社開発物件ブランドは、ワンルームマンションの「アジールコート」、コンパクトマンションの「アジールコフレ」、ファミリーマンションの「グランアジール」、戸建住宅の「アジールヴィラ」である。自社開発のホテル事業は第1号案件の「ホテルアジール東京蒲田」が20年5月完成予定である。

 収益は物件売上計上によって変動しやすい特性がある。配当政策の基本方針は19年6月に変更し、親会社株主帰属当期純利益から法人税等調整額の影響を排除した数値に対する35%から40%に引き上げた。20年6月期中間配当金から適用した。

■20年6月期増収増益予想

 20年6月期連結業績予想は、売上高が19年6月期比6.5%増の213億80百万円、営業利益が10.8%増の23億80百万円、経常利益が9.2%増の20億90百万円、純利益が10.7%増の14億50百万円としている。配当予想(増資によって発行済株式総数が増加したため2月6日に期末4円減額修正)は、2円増配の20円(第2四半期末10円、期末10円)である。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比38.5%減の111億47百万円、営業利益が53.4%減の10億70百万円、経常利益が60.3%減の8億39百万円、純利益が60.8%減の5億75百万円だった。開発販売戸数は投資用ワンルームマンション8棟362戸および店舗1棟3戸だった。

 第3四半期累計は減収減益だったが、第4四半期に大型物件の売上計上を予定しているため通期は増収増益予想である。通期の投資用ワンルームマンション販売戸数の計画は82戸増加の732戸である。新型コロナウイルスの影響については、工事の進捗遅れなどで引き渡しの期ズレの可能性があるものの、今期販売予定物件はすべて契約締結済みであり、現時点で業績計画に変更はないとしている。通期ベースで収益拡大を期待したい。

■株価は戻り歩調

 株価は3月の安値圏から急反発している。戻りを試す展開を期待したい。5月19日の終値は270円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS50円70銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約7.4%、時価総額は約85億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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