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ジェイエスエスは下値固め完了
- 2020/5/21 07:19
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ジェイエスエス<6074>(JQ)はスイミングスクールを全国展開し、スイミングスクール特化型企業では首位の施設数を誇っている。21年3月期連結業績・配当予想は未定とした。なお緊急事態宣言解除に伴って店舗営業を順次再開する。当面は新型コロナウイルスの業績への影響が懸念材料となるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は反発力の鈍い展開だが下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。
■スイミングスクール運営首位
スイミングスクールを直営と受託で全国展開している。19年9月末現在の事業所数は直営63ヶ所、受託21ヶ所、合計84ヶ所(うちコンパクトプール15か所)である。スイミングスクール特化型企業では首位の施設数を誇っている。
20年3月期末会員数は、子供会員が19年3月期末比1.1%減の8万5876人、大人会員が2.9%減の1万1268人、合計が1.3%減の9万7144人である。なお育成選手実績として、瀬戸大地選手や渡部香生子選手など多くのオリンピック出場選手を輩出している。
スクール事業の強みには、総合フィットネスクラブとの比較で景気に左右され難いという点がある。入会から四泳法習得まで2~3年の安定した在籍が期待され、ベビーからの入会や選手コースへの進級で長期在籍の可能性も高まる。大人会員は高齢者が中心で、生涯スポーツ化も期待される。
収益拡大に向けた施策として、世界レベルを目指す選手・育成コースの会員数拡大、水泳インストラクター養成講習会開催など人材育成、独自の多段階進級システムや顧客満足度向上による退会防止、会員向けグッズ販売やグループ外スクール向けスイミング用品販売の拡大、水中健康運動器具の開発、キッズ体育の強化、イニシャルコスト・ランニングコストを軽減するコンパクトタイプのスイミングクラブの展開などを推進している。事業所展開については年間2店舗程度の開設を目指す。
20年3月には、ニチイ学館<9792>との資本業務提携を解消し、日本テレビホールディングス<9404>と業務資本提携した。日本テレビホールディングスのグループ会社でフィットネスジムを展開するディップネス(20年4月1日現在、関東エリアを中心に全国173店舗を展開)と協業してシナジーを創出する。
■21年3月期連結業績・配当予想は新型コロナウイルス影響で未定
20年3月期業績(非連結)は、売上高が19年3月期比2.9%減の84億80百万円、営業利益が20.8%減の3億74百万円、経常利益が19.6%減の3億90百万円、純利益が41.6%減の1億85百万円だった。配当は1円25銭減配の13円75銭(第2四半期末8円75銭、期末5円)とした。
新型コロナウイルスに伴って全国の事業所で営業の休止や縮小を実施したため、計画未達で減収減益だった。純利益は固定資産の減損損失計上も影響した。
21年3月期連結業績・配当予想は新型コロナウイルス影響で未定とした。なお緊急事態宣言解除に伴って店舗営業を順次再開する。当面は新型コロナウイルスの業績への影響が懸念材料となるが、中期的に収益拡大を期待したい。
■株主優待制度は3月末と9月末の年2回
株主優待制度は毎年3月31日および9月30日の年2回、1単元(100株)以上保有株主を対象として実施している。保有株式数に応じて優待券(詳細は会社HP参照)を贈呈する。
■株価は下値固め完了
株価は反発力の鈍い展開だが下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。5月20日の終値は434円、前期実績PBR(前期実績BPS741円64銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約17億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)