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サンコーテクノは反発の動き
- 2020/5/25 04:52
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
サンコーテクノ<3435>(東2)は、建設用あと施工アンカーなどのファスニング事業を主力としている。21年3月期は減収減益予想である。当面は新型コロナウイルスによる工事進捗遅れが懸念材料となるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は下値固め完了して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。
■ファスニング事業と機能材事業を展開
ファスニング事業(あと施工アンカーやドリルビットの製造販売、太陽光関連・土木建築関連の工事管理など)を主力として、機能材事業(電動油圧工具関連、FRPシート関連、車両の表示板などの電子プリント基板関連、アルコール検知器関連の製造販売など)も展開している。
20年3月期セグメント別売上高構成比はファスニング事業が76%、機能材事業が24%、営業利益構成比(連結調整前)はファスニング事業が81%、機能材事業が19%だった。収益面では建設投資関連のため期後半の構成比が高い特性がある。
ファスニング事業では、あと施工アンカー(コンクリート用特殊ネジ・釘類)やドリルビットの開発・製造・販売、太陽光関連・土木建築関連の工事管理などを展開している。あと施工アンカーの最大手である。
新中期経営ビジョンでは、経営目標数値に売上高成長率5.0%以上、営業利益率8.0%以上を掲げている。建設現場では現場作業の省力化・機械化ニーズの高まりや非熟練作業者の増加が予想され、現場での使いやすさを高めた施工ツール、あと基礎アンカー、アンカー打込機、紫外線硬化FRPシートといった製品の需要増が期待される。都市再開発や国土強靭化政策などで中期的に事業環境は良好である。
19年2月電子基板事業強化に向けてプリント基板表面実装・加工の浦和電研を子会社化、19年4月事業多角化に向けてプラスチック成形機・包装機輸入販売の成光産業・成光パックを子会社化した。
■21年3月期減収減益予想
20年3月期連結業績は、売上高が19年3月期比8.6%増の184億90百万円、営業利益が14.5%増の15億08百万円、経常利益が14.7%増の15億29百万円、純利益が6.9%増の10億08百万円だった。配当は2円増配の26円(期末一括)とした。
機能材事業の好調で計画を上回る増収増益だった。ファスニング事業は0.1%増収だった。完成工事高が減少したが、あと施工アンカーは好調だった。機能材事業は48.0%増収だった。電子基板関連やアルコール検知器関連が好調に推移し、M&Aも寄与した。
21年3月期連結業績予想は、売上高が20年3月期比2.7%減の180億円、営業利益が22.4%減の11億70百万円、経常利益が22.2%減の11億90百万円、純利益が20.7%減の8億円としている。配当予想は20年3月期と同額の26円(期末一括)である。
上期に新型コロナウイルス影響で、一部建設工事の中断の影響を想定している。当面は新型コロナウイルスによる工事進捗遅れが懸念材料となるが、中期的に収益拡大を期待したい。
■株主優待制度は毎年3月末の株主対象
株主優待制度は毎年3月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して、QUOカード500円分を贈呈(詳細は会社HP参照)している。
■株価は反発の動き
株価は下値固め完了して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。5月22日の終値は948円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS99円01銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の26円で算出)は約2.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1583円46銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約83億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)