- Home
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
- 神鋼商事は下値切り上げ
神鋼商事は下値切り上げ
- 2020/5/26 07:27
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。21年3月期連結業績・配当予想は未定としている。当面は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響を受けるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は調整一巡して下値を切り上げる動きだ。出直りを期待したい。
■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社
神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。
19年7月には非鉄金属セグメントにおいて、連結子会社のコベルコ筒中トレーディングと中山金属が合併し、神鋼商事メタルズとして営業開始した。
20年3月期のセグメント別経常利益構成比は、鉄鋼7%、鉄鋼原料17%、非鉄金属35%、機械・情報33%、溶材10%、その他▲1%だった。
■21年3月期予想は新型コロナウイルス影響で未定
20年3月期連結業績は、売上高が19年3月期比1.7%減の9360億31百万円、営業利益が39.0%減の48億29百万円、経常利益が50.8%減の39億43百万円、純利益が67.5%減の16億29百万円だった。配当は20円減配の90円(第2四半期末55円、期末35円)とした。
全体として、米中貿易摩擦長期化による世界経済停滞に加えて、第4四半期には新型コロナウイルスの影響を受けた。鉄鋼は93.1%減益、鉄鋼原料は45.4%減益、非鉄金属は17.9%減益、機械・情報は0.4%増益、溶材は17.1%増益だった。鋼板は北米エネルギー業界低迷に伴い、米国子会社で在庫評価損を計上したことも影響した。
21年3月期連結業績・配当予想は未定としている。当面は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響を受けるが、中期的に収益拡大を期待したい。
■株価は下値切り上げ
株価は調整一巡して下値を切り上げる動きだ。出直りを期待したい。5月25日の終値は1908円、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS5920円30銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約169億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)