イトーキは通期業績予想を未定とするも、第1四半期は2ケタ増収大幅増益でスタート

■オフィス関連事業は積極的な提案営業が奏功

 イトーキ<7972>(東1)は、25日引け後、2月14日に公表した20 年12月期の通期連結業績予想は、コロナウイルスの感染影響が見通せないことから、一旦取り下げ未定とすることを発表した。また、同日、第1四半期決算も発表した。

 通期業績予想は、未定としたものの、第1四半期連結業績は、売上高377億07百万円(前年同期比11.2%増)、営業利益30億01百万円(同43.5%増)、経常利益28億82百万円(同37.5%増)、純利益17億60百万円(同43.6%増)と2ケタ増収大幅増益のスタートとなった。

 オフィス関連事業は、国内における首都圏および関西地区といった大都市部を中心とした新築・移 転の需要拡大やリニューアル需要の増加に対し、「ITOKI TOKYO XORK」をワーキングショールームとして活用した積極的な提案営業が奏功したほか、中国における営業体制の合理化などの効果により、販売・利益ともに好調に推移した。また、働き方改革を促進するデザイン性・性能に優れた新製品やソリューションを順次投入した。 その結果、売上高236億91百万円(同18.3%増)、営業利益26億61百万円(同49.0%増)と大幅増益。

 設備機器関連事業は、国内における物流設備、公共施設案件において、新型コロナウイルス感染症の影響による工期の延期などがあったものの、国内オフィス市場の好調に牽引されて内装工事・パーティションの 需要が伸長した。また、省人化・効率化を促進するシャトル式立体自動倉庫システム「システマストリーマーSAS-R」の販売を開始した。 その結果、売上高133億67百万円(同2.4%増)、営業利益3億84百万円(同22.8%増)となった。

 その他事業は、パーソナル事業において、新型コロナウイルス感染症の対策として全国的に在宅勤務が推奨されたことなどに伴って、在宅向けチェアやデスクのネット販売台数が増加した。また、19年7月の発売以来、好評価を得ているX FOCUS CHAIRの新ラインとして、張地にPVCレザーを採用した新商品「X FOCUS CHAIR a」の販売を開始した。しかし、販売チャネルの見直しによる学習机などの子ども向け家具の売上減少と、中国の仕入先の操業停止等で商品供給が一時的に滞ったことによる遺失利益の影響が大きく売上高6億48百万円(同20.7%減)、営業利益△44百万円(前年同期△08百万円)。

 通期業績予想を未定としたが、第1四半期が好スタートを切ったことから、今後に期待したい。

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