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ケンコーマヨネーズは下値切り上げ
- 2020/5/27 07:48
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ケンコーマヨネーズ<2915>(東1)はマヨネーズ・ドレッシング分野から、タマゴ加工品およびサラダ・総菜分野への事業領域拡大戦略を推進している。21年3月期連結業績・配当予想は新型コロナウイルスの影響を考慮して未定としている。当面は外食向けの影響などが懸念材料として意識されるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は反発力の鈍い展開だが徐々に下値を切り上げている。調整一巡して出直りを期待したい。
■マヨネーズ・ドレッシング類、ロングライフサラダの大手
サラダ・総菜類、タマゴ加工品、マヨネーズ・ドレッシング類の調味料・加工食品事業、フレッシュ総菜(日配サラダ、総菜)の総菜関連事業等、その他(ショップ事業など)を展開している。
マヨネーズ・ドレッシング分野から、タマゴ加工品およびサラダ・総菜分野への事業領域拡大戦略を推進している。ロングライフサラダは業界のパイオニアとして国内1位、マヨネーズ・ドレッシング類は国内2位の市場シェアである。ショップ事業の「Salad Cafe」は百貨店などに出店している。
20年3月期の商材別売上高構成比はサラダ類47%、タマゴ類27%、マヨネーズ・ドレッシング類24%、その他2%、分野別売上高構成比は外食28%、CVS27%、量販店25%、パン13%、給食4%、その他4%だった。
収益面では、鶏卵や野菜などの原材料価格が変動要因となりやすく、プロダクトミックス、工場操業度、原燃料コストなどの影響を受ける。利益還元については連結ベースでの配当性向20%を意識し、配当の継続性に配慮しつつ、今後の成長と発展にあわせて安定配当水準を高めていくことを基本方針としている。
■事業領域拡大戦略と生産能力増強を推進
サラダNO.1企業として、中期成長に向けて市場ニーズに応える商品開発、事業領域の拡大などの戦略を推進している。
また生産能力増強も推進し、18年4月ダイエットクック白老が新工場(サラダ・総菜類)を稼働、18年6月関東ダイエットクックが神奈川工場(サラダ・総菜類)を稼働、19年2月静岡富士山工場(タマゴ加工品)を増設稼働、19年4月西日本工場(サラダ・総菜類)を増設稼働した。
■21年3月期予想は新型コロナウイルス影響で未定
20年3月期連結業績は、売上高が19年3月期比0.7%増の744億80百万円、営業利益が6.9%減の29億円、経常利益が4.5%減の30億03百万円、純利益が10.4%減の20億58百万円だった。配当は1円増配の31円(第2四半期末15円、期末16円)とした。
計画に対して売上が伸び悩み、利益は増益予想から一転して減益で着地した。調味料・加工食品は1.0%減収だった。天候不順、個人消費低迷に加えて、コンビニを中心とする採用メニュー減少でタマゴ加工品が苦戦した。さらに2月以降の新型コロナウイルスによる外出自粛、外食産業の臨時休業・営業時間短縮の影響を受けた。総菜関連は8.7%増収だった。ダイエットクック白老新工場や東ダイエットクック神奈川工場による供給増が寄与した。その他(主にサラダカフェ)は4.9%減収だった。新型コロナウイルスによる百貨店の臨時休業などが影響した。
21年3月期連結業績・配当予想は新型コロナウイルスの影響を考慮して未定としている。当面は外食向けの影響などが懸念材料として意識されるが、中期的に収益拡大を期待したい。
■株主優待制度は毎年3月末の株主対象
株主優待制度は毎年3月末日現在の株主を対象として、保有株式数に応じて当社商品を贈呈(詳細は会社HP参照)している。
■株価は下値切り上げ
株価は反発力の鈍い展開だが徐々に下値を切り上げている。調整一巡して出直りを期待したい。5月26日の終値は2136円、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2069円93銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約352億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)