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- 【アナリスト水田雅展の銘柄分析】メディアスHDは15年6月期減額修正に対する売り一巡、6月期末一括で3%台の高配当利回りも注目
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】メディアスHDは15年6月期減額修正に対する売り一巡、6月期末一括で3%台の高配当利回りも注目
- 2015/5/15 06:48
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
メディアスホールディングス<3154>(JQS)は医療機器販売事業を展開している。5月8日に15年6月期業績を減額修正して株価は急反落したが、目先的な売りが早くも一巡したようだ。6月期末一括で3%台の高配当利回りも注目して切り返し展開だろう。
医療機器・医療材料の販売事業を主力として、介護・福祉機器の販売・レンタル事業も展開している。静岡県・神奈川県を地盤とする協和医科器械、およびオズの首都圏・愛知県エリアへの営業強化策に加えて、M&Aを積極活用して営業エリアと規模の拡大戦略を推進している。
10年7月に栗原医療器械店(群馬県太田市)、12年7月にネットワーク(東京都新宿区)、13年7月に秋田医科器械店(秋田県秋田市)、14年7月にジオット(福島県郡山市)を完全子会社化し、14年10月には福井県内でトップシェアを誇る福井医療(福井県福井市)と資本業務提携した。
商品戦略では医療機関への医療機器・医療材料の販売に加えて、手術室運営支援ソフトウェア、医療材料データベース、プライベートブランド商品などの販売も促進し、複合的サービスを強化している。
手術室業務支援ソフトウェア「サージレーン」は、効率の良い病院手術室運営を提案して機器・備品売上の拡大に繋げる戦略商品である。14年6月期末時点の導入施設数は大病院を中心に8施設で、16年6月期には新たに3施設の導入を予定しているようだ。医療材料データベース・医療材料分析サービス「メッカル」は医療材料価格の最適化を支援するツールで、14年6月期末時点で84施設に導入している。
14年10月には子会社ケアフォースを設立した。医療・介護用移乗機器および電動ベッドなどの輸入・販売事業を展開する。また海外展開は、インドにおける鴻池運輸<9025>との医療データベース合弁会社CARNA MEDICAL DATABASEで、医療物流プラットフォームの構築を推進している。
5月8日に発表した今期(15年6月期)第3四半期累計(7月~3月)の連結業績は売上高が前年同期比3.2%減の1113億99百万円、営業利益が同53.2%減の8億19百万円、経常利益が同48.2%減の10億65百万円、純利益が同47.6%減の5億32百万円だった。
セグメント別(全社費用等調整前)動向を見ると、医療機器販売事業は売上高が同3.3%減の1087億84百万円、営業利益が同15.9%減の35億12百万円だった。売上面では、消耗品は新規獲得のSPD契約も寄与して好調だったが、備品は大型案件が一巡して減少した。利益面では、主要仕入先からの購買業務共通化による売上原価率改善や、販売促進リベート獲得なども寄与して売上総利益は同0.4%減にとどまったが、人件費など販管費の増加で営業減益だった。介護・福祉事業は売上高が同0.4%増の26億14百万円、営業利益が同0.3%増の2億58百万円だった。
なお四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(7月~9月)339億31百万円、第2四半期(10月~12月)384億20百万円、第3四半期(1月~3月)390億48百万円、営業利益は第1四半期1億03百万円の赤字、第2四半期3億70百万円、第3四半期5億52百万円である。医療機関の設備投資予算執行が集中する第3四半期(1月~3月)の構成比が高い収益構造である。
通期の連結業績予想について5月8日に減額修正した。前回予想(8月11日公表)に対して、売上高は106億60百万円減額して前期比0.7%減の1450億円、営業利益は6億65百万円減額して同54.1%減の7億35百万円、経常利益は7億10百万円減額して同46.6%減の10億90百万円、そして純利益は4億25百万円減額して同42.2%減の5億60百万円とした。配当予想は前回予想(8月11日公表)を据え置いて前期と同額の年間80円(期末一括)としている。
売上面では消耗品の販売が堅調だが、備品販売については医療機関の設備投資や予算執行が想定を下回り、備品販売が集中する3月も放射線機器などの大型機器の販売が計画を下回ったようだ。利益面では売上高が計画を下回ったことに加えて、償還価格引き下げの影響で循環器関連の消耗品の売上総利益率が想定を下回るようだ。
中期的には、首都圏および愛知県エリアなどへの営業強化戦略、M&A・アライアンスによる営業エリア拡大戦略、新規取引先の獲得、SPD(病院医療材料管理業務)事業の拡大、複合的サービスの強化、さらに大量購買による仕入価格低減や業務効率の改善なども寄与して収益拡大基調だろう。
株価の動きを見ると、2月安値2285円から水準を切り上げて4月27日には2900円まで上伸する場面があった。そして15年6月期減額修正で急反落したが、5月11日の2350円から切り返しの動きを強めている。12日から14日まで3日続伸し、14日は終値で2500円台まで戻した。目先的な売りが早くも一巡したようだ。
5月14日の終値2504円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS178円33銭で算出)は14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間80円で算出)は3.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績に増資を考慮した連結BPS2253円06銭で算出)は1.1倍近辺である。
週足チャートで見ると窓を開けて急反落したが、陽線を立てて26週移動平均線回復の動きを強めている。6月期末一括で3%台の高配当利回りも注目して切り返し展開だろう。