- Home
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
- クリナップは反発の動き
クリナップは反発の動き
- 2020/6/10 07:32
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
クリナップ<7955>(東1)はシステムキッチンの大手で、システムバスルームも展開している。21年3月期連結業績・配当予想は未定としている。当面は新型コロナウイルスによる納期遅れなどの影響が意識されるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は下値固め完了して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。
■システムキッチン大手でシステムバスルームも展開
システムキッチンの大手である。厨房部門(システムキッチン)を主力として、浴槽・洗面部門(システムバスルーム・洗面化粧台)も展開している。20年3月期の部門別売上構成比は厨房部門78%、浴槽・洗面部門15%、その他7%、全国のショールーム数は102ヶ所、来場組数は395千組だった。販売ルートは工務店を主力としている。収益面では新設住宅着工件数やリフォーム需要の影響を受けやすい。
中期経営計画(18年~20年)ではビジョンに「暮らし価値創造企業Cleanupへの変革」を掲げている。重点施策として、高級・超高級市場への本格参入に向けた商品ラインナップの変革、シェア回復に向けたフラッグシップモデルの刷新、ショールームにおける価値提供の強化、アジア諸国向けステンレスキャビネットの本格展開、新たな販売チャネルとしてのECビジネス立ち上げなどを推進する。
■21年3月期予想は新型コロナウイルス影響で未定
21年3月期連結業績・配当予想は新型コロナウイルスの影響で未定としている。なお中高級市場での競争力強化に向けて、6月28日にKITCHEN TOWN YOKOHAMA(横浜市みなとみらい)をオープンし、旗艦ショールーム全国4拠点(東京、横浜、名古屋、大阪)体制とする。また業務提携を活用し、新規事業として富裕層向け海外キッチン事業、他業種とコラボしたダイニング事業を展開する。収益性改善に向けては、リターナブル梱包やシュリンク梱包の活用によって段ボール量を削減し、経費削減とともに環境対応を推進する。
当面は新型コロナウイルスによる納期遅れなどの影響が意識されるが、中期的に収益拡大を期待したい。
■株価は反発の動き
株価は下値固め完了して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。6月9日の終値は569円、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1379円67銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約213億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)