プレミアグループは戻り試す

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 プレミアグループ<7199>(東1)は、オートモビリティ企業グループとしてカーライフのトータルサポートを掲げ、自動車ローンや自動車保証の自動車金融サービスを中心にオート関連サービスを展開している。21年3月期予想は未定としている。当面は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響が意識されるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は水準を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。

■自動車ローンなど自動車金融サービスが主力

 オートモビリティ企業グループとしてカーライフのトータルサポートを掲げ、中古自動車のオートクレジット(自動車ローン)や、自然故障による修理費用を保証するワランティ(自動車保証)など自動車金融サービスを主力として、オート関連サービスを展開している。20年3月期営業収益構成比はクレジット事業69%、故障保証(ワランティ)事業26%、その他(整備事業、海外事業、ソフトウェアビジネス)5%だった。

 20年3月期末(19年3月期末比)のクレジット加盟店社数は10.4%増の2万2549社、累計クレジット取扱高は29.2%増の1746億円、クレジット債権残高は27.1%増の3187億円、ワランティ取扱高は45.5%増の43.6億円だった。営業力の強化、取引先に対して複数サービスを提供するMULTI ACTIVEによる加盟店との関係構築深化などで取扱高、債権残高が順調に増加している。3ヶ月超のクレジット延滞債権残高率は0.8%台の低位で推移している。

■オートモビリティ企業に向けた成長戦略を推進

 中期経営計画では目標値に23年3月期売上収益260億円、税前利益56億円、親会社所有者帰属当期利益36億円、および25年3月期売上収益400億円、税前利益100億円、親会社所有者帰属当期利益65億円を掲げている。

 オートクレジット企業からオートモビリティ企業への成長を目指し、ファイナンス分野ではオートクレジットの営業拡大とバックヤード効率化、個人向けオートリースの早期収益化、サービサー会社取得(中央債権回収を20年4月子会社化予定)による債権回収強化、ワランティ分野では新形態での保証提供、故障修理のビッグデータ活用によるマネタイズ、認知度向上のための広告施策、オートモビリティ分野ではリサイクルパーツなど新3Rビジネスの強化、および海外展開を推進する。

 19年5月世界共通の自動車保証プラットフォームを構築、19年12月中央債権回収の株式取得、20年1月グループ人材育成を担う子会社VALUEを設立、20年2月オートモビリティサービス分野統括の子会社プレミアモビリティサービス、およびオートパーツ関連事業統括の子会社プレミアオートパーツを設立、20年3月中古車リースの取り扱いを開始した。

■21年3月期予想は新型コロナウイルスの影響を考慮して未定

 20年3月期連結業績(IFRS)は、営業収益が19年3月期比30.3%増の140億16百万円、税前利益が24.2%増の26億04百万円、親会社所有者帰属当期利益が5.6%増の14億66百万円だった。配当は1円50銭増配(19年4月1日付株式2分割遡及換算後)の44円(第2四半期末22円、期末22円)とした。

 営業収益はクレジット事業が19.2%増収、故障保証事業が19年4月子会社化したEGS社の新規連結も寄与して52.8%増収、その他が18年10月子会社化したソフトプランナーの収益化も寄与して3.6倍増収と大幅伸長した。利益は事業拡大に伴う先行費用の増加に加えて、タイの関連会社ECLに係る減損損失8.7億円を計上したため計画を下回ったが、増益を確保した。

 21年3月期連結業績(IFRS)予想および配当予想は、新型コロナウイルスの影響を考慮して未定としているが、ストック型ビジネスモデルで増収増益を目指し、増配方針を維持する予定としている。なお新規採用および新規出店は新型コロナ収束までペンディングとするが、オートモビリティ事業の強化を推進する。また中央債権回収の子会社化によって、負ののれん発生益約6億円を計上見込みとしている。

 当面は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響が意識されるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は水準を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。6月17日の終値は1896円、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS411円21銭で算出)は約4.6倍、時価総額は約252億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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