カーリットホールディングスは調整一巡

カーリットホールディングス<4275>(東1)は、化学品事業、ボトリング事業、産業用部材事業を展開している。21年3月期は営業・経常減益、最終増益予想としている。当面は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響が意識されるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は戻り一服の形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。

■化学品、ボトリング、産業用部材を展開

 化学品事業(産業用爆薬、自動車用緊急保安炎筒、危険性評価試験、電池受託評価試験、塩素酸ナトリウム、ロケット固体推進薬原料、電気二重層キャパシタ用電解液、イオン導電材料等)、ボトリング事業(飲料のボトリング加工)、産業用部材事業(半導体用シリコンウェーハ、耐火・耐熱金物、ばね・座金など)を展開している。

 20年3月期セグメント別構成比は売上高が化学品44%、ボトリング35%、産業用部材16%、その他4%、営業利益が化学品54%、ボトリング12%、産業用部材▲3%、その他36%だった。

■新製品の早期上市を推進

 中期経営計画の目標数値には22年3月期売上高650億円、営業利益30億円、ROE8%を掲げ、重点戦略は研究開発・新規事業(宇宙開発事業、二次電池関連事業、ヘルスケア材料、新規機能材料・半導体材料)における新製品早期上市に向けた体制強化、M&Aによる伸長分野への積極投資、ASEANを中心とした海外市場への積極展開としている。

■21年3月期営業・経常減益、最終増益予想

 21年3月期連結業績予想は、売上高が20年3月期比5.5%減の470億円、営業利益が6.2%減の15億円、経常利益が7.6%減の16億円、そして純利益が44.8%増の10億円としている。配当予想は20年3月期と同額の12円(期末一括)である。

 新型コロナウイルスの影響が第2四半期まで継続すると想定し、減収、営業・経常減益予想としている。純利益は特別損失が一巡して増益予想である。当面は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響が意識されるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年3月末の株主対象

 株主優待制度は毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じてギフトカードを贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は調整一巡

 株価は戻り一服の形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。6月24日の終値は510円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS42円21銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想12円で算出)は約2.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1106円00銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約123億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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