ASIAN STARは戻り試す

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 ASIAN STAR(エイシアンスター)<8946>(JQ)は、国内と中国で不動産関連事業を展開している。当面は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響が意識されるが、中期的に収益改善を期待したい。株価は3月の安値圏から着実に下値を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。

■国内と中国で不動産事業を展開

 国内と中国で不動産関連事業を展開している。国内は投資用マンション「グリフィンシリーズ」企画・販売事業を一旦縮小し、不動産管理・賃貸・仲介事業のストック型フィービジネスへ事業構造を転換した。中国ではベルグラビアグループを買収して不動産関連事業(サービスアパートメント運営管理事業、ワンルームマンション賃貸事業)を展開している。

 収益は不動産販売事業の案件によって変動しやすい特性がある。なお上海徳威企業および徳威国際(上海徳威企業の100%子会社)の2社と資本提携している。

 18年11月投資事業を行う子会社ASIAN STAR INVESTMENTSを設立、19年6月ASIAN STAR INVESTMENTSが民泊施設運営代行のオールステイへの投資を実行した。

 19年1月には中国のサービスアパートメント運営管理事業で、中国上海市の賃貸マンション(117室)運営管理委託契約を受託した。19年7月には、中国大手不動産企業の上海地産グループで賃貸マンション開発・管理を行う上海地産賃貸住宅建設と、業務提携意向協定を締結した。

 19年10月には、中国で医療関連事業を展開する遠東宏信医院集団および経営コンサルティングの上海マイツと戦略的提携した。日本における医療分野での共同投資を検討する。なお19年12月には、田中紘一京大名誉教授が遠東宏信医療科技発展有限公司の首席専門家に就任した。

■不動産サービス分野の規模拡大を推進

 中期経営計画では目標値に22年12月期売上高50億円、営業利益3億円、EBITDA4億円を掲げた。

 重点施策として、事業戦略では不動産サービス分野の規模拡大、付加価値創造事業分野のアジア展開、投資戦略では企業価値向上に資する戦略的M&Aおよび資本提携、ファンド組成による提携企業との共同投資を推進する。

 また財務戦略では資本市場を活用した資金調達の検討、財務レバレッジを利用した不動産投資の実施、配当戦略では利益水準に応じた安定的配当の実施、トータル・シェアホルダー・リターン(TSR)等の指標の検討を実施する。

■20年12月期黒字予想

 20年12月期連結業績予想は、売上高が19年12月期比23.2%増の25億円、営業利益が36百万円の黒字(19年12月期は72百万円の赤字)、経常利益が35百万円の黒字(同85百万円の赤字)、純利益が26百万円の黒字(同1億97百万円の赤字)としている。リゾート地(和歌山県南紀白浜など)における戸建の開発販売を開始する。

 第1四半期は、売上高が前年同期比1.4%増の5億83百万円、営業利益が27百万円の赤字(前年同期は3百万円の黒字)、経常利益が27百万円の赤字(同5百万円の黒字)、純利益が30百万円の赤字(同1百万円の赤字)だった。不動産販売事業で戸建の売上が堅調だったが、前年の販売在庫物件に対する評価損の計上などで営業赤字だった。

 当面は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響が意識されるが、中期的に収益改善を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は3月の安値圏から着実に下値を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。6月25日の終値は105円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS1円46銭で算出)は約72倍、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS100円59銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約19億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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