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クレスコは調整一巡、21年3月期営業・経常微減益予想だが保守的
- 2020/6/30 07:50
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
クレスコ<4674>(東1)はビジネス系ソフトウェア開発を主力として、カーエレクトロニクス関連などの組込型ソフトウェア開発も展開している。21年3月期は新型コロナウイルスの影響でIT投資の一時的減速を想定し、営業・経常微減益予想としているが、保守的だろう。収益拡大を期待したい。株価は戻り一服の形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。
■ビジネス系ソフトウェア開発が主力で組込型ソフトウェア開発も展開
ビジネス系ソフトウェア開発(アプリケーション開発、基盤システム構築)事業を主力として、組込型ソフトウェア開発事業、その他事業(商品・製品販売)も展開している。
20年3月期セグメント別売上高構成比はソフトウェア開発事業82%(金融・保険分野27%、公共・サービス分野25%、流通・その他分野30%)、組込型ソフトウェア開発事業18%(通信システム分野1%、カーエレクトロニクス分野8%、情報家電等・その他分野9%)、その他事業(商品・製品販売等)0%だった。営業利益構成比(連結調整前)はソフトウェア開発事業72%、組込型ソフトウェア開発事業28%、その他0%だった。
収益面では案件別の採算性が影響し、企業のIT投資関連のため年度末にあたる第4四半期の構成比が高くなる特性がある。配当方針は、連結経常利益をもとに特別損益を零とした場合に算出される親会社株主帰属当期純利益の30%相当を目途に、継続的に実現することを目指すとしている。
■質的・量的成長目指す
中期成長に向けた5ヶ年経営ビジョン(16年4月~)では、経営方針としてCRESCO Ambition 2020に沿った経営、サービス品質強化による質的成長、リソース・技術戦略強化による量的成長、M&Aによる成長スピード拡大を掲げている。
オリジナル製品・サービスでは、IoTの「KEYAKI」、AIの「Minervae」、クラウドの「Creage」を3大ブランドと定義し、ソフトウェア開発・システム開発の需要喚起を推進している。
19年5月にはソフトバンクが運営するAIエコシステムプログラムにおいて、パートナー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。19年10月にはクレスコベトナムがオフショア開発の中核として稼働した。19年11月にはアマゾンのAWSパートナー制度で、AWS Well―Architectedパートナープログラム認定を取得した。20年2月には北海道大学公認のAIベンチャーである調和技研と資本業務提携、20年4月にはシステムインテグレーターのエニシアスを子会社化した。
■21年3月期営業・経常微減益予想だが保守的
21年3月期の連結業績予想は、売上高が20年3月期比1.7%増の400億円で、営業利益が4.4%減の34億円、経常利益が3.0%減の36億円、純利益が1.2%増の24億50百万円としている。配当予想は20年3月期と同額の36円(第2四半期末18円、期末18円)である。
新型コロナウイルスの影響でIT投資の一時的減速を想定し、新規案件の中止・延期などの影響を見込んでいる。またテレワーク体制に伴う稼働率・生産性の低下も見込んでいる。ただし保守的だろう。収益拡大を期待したい。
■株価は調整一巡
株価(20年2月1日付で株式2分割)は戻り一服の形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。6月29日の終値は1453円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS116円72銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の36円で算出)は約2.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS770円72銭で算出)は約1.9倍、時価総額は約349億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)