- Home
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
- LibWorkは上値試す
LibWorkは上値試す
- 2020/7/1 09:26
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
LibWork<1431>(東マ)は熊本県を地盤とする注文住宅メーカーである。Webマーケティングによる集客を特徴としている。20年6月期は新型コロナウイルスの影響を受けたが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は19年12月の高値に接近している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。
■熊本県を地盤とする注文住宅メーカー
15年8月福証Q-Boardに新規上場、19年6月東証マザーズに上場(重複上場)した。
熊本県を地盤とする注文住宅メーカーである。第一次取得層を主ターゲットに、集客を常設展示場に頼らず、土地ポータルサイト「e土地net」やWebマーケティングなど、ネットやSNSを活用することでコストダウンを実現していることが特徴だ。MUJI HOUSEと契約して熊本県下における独占営業権を取得した「無印良品の家」も提供している。
19年11月にはグリムス<3150>の子会社グリムソーラーと提携、20年3月にはアダストリア<2685>と提携した。20年5月には神奈川県を中心に戸建建売販売を展開するタクエーホームを子会社化(20年7月1日予定)すると発表した。20年6月にはアダストリアの「niko and(ニコアンド)」とコラボレーションした戸建て新商品「ink(インク)の販売を開始した。またショッピングモール向け新ブランド「sketch(スケッチ)」を立ち上げた。
■毎年売上20%成長目指す
20年1月策定の経営ビジョン「VISION2030」では、毎年売上20%成長を基本とした安定的・永続的な成長(急成長・急拡大をせず、財務規律を伴う余裕をもった成長)を目指すとしている。
エリア・店舗数の拡大、ネット集客数の増大、非住宅木造事業の拡大、沖縄地区への展開、コンセプト別分譲宅地開発による街づくり、新規事業(戸建民泊事業、保険・住宅ローンなどの住宅関連事業)を推進する。さらに住宅版SPAモデル・垂直統合モデルの確立を推進する方針だ。
なお20年6月には、サブスクモデル事業「AIを活用した全国の工務店支援サービス」が、経済産業省中小企業庁の「商業・サービス競争力強化連携支援事業(新連携支援事業)」に採択された。今後、AIを活用したサービスを全国の工務店向けに展開する。また建築家とお客さまをつなぐマッチングサイト「e建築士net」をリリースした。今後は販売エリアの拡大とあわせて、全国への拡大を推進する。
■20年6月期減収減益予想
20年6月期業績(非連結)予想(5月14日に下方修正)は、売上高が19年6月期比9.1%減の59億94百万円、営業利益が79.3%減の1億10百万円、経常利益が77.3%減の1億30百万円、純利益が78.3%減の85百万円としている。
新型コロナウイルスの影響で建築承認申請や住宅ローン融資の審査遅れが発生し、工事着工遅れで引き渡しが来期に延期となる可能性が高まった。また販売用不動産の評価損を計上する。なお第3四半期累計は前年同期比6.7%増収、27.3%営業減益だった。20年6月期は新型コロナウイルスの影響を受けたが、中期的に収益拡大を期待したい。
なお20年6月期の配当予想(四半期配当)は据え置いている、第1四半期末と第2四半期末が各9円、20年1月1日付株式2分割後の第3四半期末と第4四半期末が各4円50銭としている。株式2分割後に換算すると19年6月期比5円50銭増配の年間18円となる。また現行の株主優待制度に加えて20年6月期に上場記念株主優待を実施する。さらに2月には株主優待制度の拡充(詳細は会社HP参照)を発表している。Lib Workプレミアム優待倶楽部を新設する。
■株価は上値試す
株価(20年1月1日付で株式2分割)は19年12月の高値に接近している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。6月30日の終値は2207円、今期予想PER(会社予想のEPS16円01銭で算出)は約138倍、今期予想配当利回り(会社予想の18円で算出)は約0.8%、前期実績PBR(前期実績のBPS363円26銭で算出)は約6.1倍、時価総額は約120億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)