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アーバネットコーポレーションは調整一巡
- 2020/7/2 08:02
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
アーバネットコーポレーション<3242>(JQ)は投資用・分譲用マンション開発・販売を中核事業としている。さらに販売先の多様化に向けてホテル開発事業を推進し、第1号案件の「ホテルアジール東京蒲田」が竣工した。20年6月期増収増益予想である。21年6月期も収益拡大を期待したい。株価は戻り高値圏から反落したが、調整一巡して出直りを期待したい。
■投資用・分譲用マンションの開発・販売が中核事業
東京23区中心の投資用・分譲用マンション開発・販売を中核事業としている。収益は物件売上計上によって変動するが、アウトソーシングを積極活用し、少数精鋭の組織体制で固定費の極小化を図っている。
親会社の同社は投資用ワンルームマンション開発・1棟販売や分譲マンション開発などBtoB卸売、子会社のアーバネットリビングは同社開発物件の戸別販売、他社物件の買取再販、マンション管理・賃貸などBtoC小売を基本事業としている。
自社開発物件ブランドは、ワンルームマンションの「アジールコート」、コンパクトマンションの「アジールコフレ」、ファミリーマンションの「グランアジール」、戸建住宅の「アジールヴィラ」である。
さらに販売先の多様化に向けてホテル開発事業を推進している。20年6月には第1号案件の「ホテルアジール東京蒲田」が竣工し、固定資産に計上すると発表した。新型コロナウイルスの感染予防対策を徹底するため、正式オープンについては状況を鑑みながら決定するとしている。
なお配当政策の基本方針は19年6月に変更し、親会社株主帰属当期純利益から法人税等調整額の影響を排除した数値に対する35%から40%に引き上げた。20年6月期中間配当金から適用した。
■20年6月期増収増益予想
20年6月期連結業績予想は、売上高が19年6月期比6.5%増の213億80百万円、営業利益が10.8%増の23億80百万円、経常利益が9.2%増の20億90百万円、純利益が10.7%増の14億50百万円としている。配当予想(増資によって発行済株式総数が増加したため2月6日に期末4円減額修正)は、2円増配の20円(第2四半期末10円、期末10円)である。
第3四半期累計は売上高が前年同期比38.5%減の111億47百万円、営業利益が53.4%減の10億70百万円、経常利益が60.3%減の8億39百万円、純利益が60.8%減の5億75百万円だった。開発販売戸数は投資用ワンルームマンション8棟362戸および店舗1棟3戸だった。
第3四半期累計は減収減益だったが、第4四半期に大型物件の売上計上を予定しているため通期は増収増益予想である。通期の投資用ワンルームマンション販売戸数の計画は82戸増加の732戸である。
また21年6月期の販売予定物件として、東京都品川区の投資用ワンルームマンション(21年2月引き渡し予定)、東京都墨田区の投資用ワンルームマンション(21年1月下旬引き渡し予定)、東京都荒川区の投資用ワンルームマンション(21年6月末引き渡し予定)を発表している。21年6月期も収益拡大を期待したい。
■株価は調整一巡
株価は戻り高値圏から反落したが、調整一巡して出直りを期待したい。7月1日の終値は285円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS50円70銭で算出)は約6倍、前期推定配当利回り(会社予想の20円で算出)は約7.0%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS332円15銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約89億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)