【特集】リスクオフ関連の金価格関連株、キャッシュリッチ関連株に注目
- 2020/7/6 08:42
- 特集
週明けは、小池百合子都知事再選のご祝儀相場から始まるかもしれず、リスクオンかリスクオフか何とも悩ましいことになるが、やはり国内では、熊本県・鹿児島県の豪雨被害の影響や米国など海外の感染者の動向をなおウオッチする慎重さが不可欠となるはずだ。そこで今週の当特集では、一歩後退、二歩前進よろしく、まずはリスクオフに肩入れしてリスクオフ関連の金価格関連株、キャッシュリッチ関連株に注目してみることとした。
■貴金属リサイクル関連3社は前期業績を再三の上方修正実績
金先物価格は、今年7月1日に一時、1トロイオンス=1807ドルまで9年ぶりに高値となり、前週末2日も1790ドルの高値をキープした。早期の経済活動再開による新型コロナウイルス感染症の感染再拡大でリスクオフ買いが増勢となり、ゴールドマン・サックス証券が、金先物価格の12カ月見通しを1トロイオンス=1800ドルから2000ドルに引き上げたこともサポート材料となった。
日本株の関連株は、まず産金株では、菱刈鉱山の住友金属鉱山<5713>(東1)、黒鉱や貴金属リサイクルのDOWAホールディングス<5714>(東1)、ついで貴金属リサイクルのアサヒホールディングス<5857>(東1)、アサカ理研<5724>(JQS)、松田産業<7456>(東1)が上げられる。このうちDOWAHDやアサヒHD、松田産業が、期中に前2020年3月期業績を上方修正し増配、自己株式取得を実施し、アサカ理研も今2020年9月期第2四半期業績を上方修正するなど金価格上昇の恩恵を受けている。
このほか小型株の商品先物会社の岡藤ホールディングス<8705>(JQS)、フジトミ<8740>(JQS)、小林洋行<8742>(東1)、豊商事<8747>(JQS)なども、金価格上昇の感応度が高く見逃せない。
■金持ち企業ではランキング常連銘柄や新興市場株にも有力候補
新型コロナウイルス感染症の感染再拡大で緊急事態宣言が再発出されるケースでは、経済活動の再開に制約が強まり、需要の再蒸発に対応する事業継続計画(BCP)上からも、手元流動性を高水準にキープする財務戦略が企業経営の最優先課題として再浮上する。このリスクオフ・ケースではキャッシュリッチ企業への注目度が高まることになる。
キャッシュリッチ企業については、東洋経済や大分古いがリスクモンスター<3768>(東2)などの各種調査の「金持ち企業ランキング」の上位にランクされた銘柄が該当する。ソニー<6758>(東1)、任天堂<7974>(東1)、信越化学工業<4063>(東1)、キーエンス<6861>(東1)、SUBARU<7270>(東)、ファナック<6954>(東1)、ネクソン<3659>(東1)などが常連である。次いで新興市場株では、日本経済新聞が、今年4月末にこの3年間にネットキャッシュを増加させた企業ランキングの上位に位置した銘柄も関連してくる。第1位のPKSHA Technology<3993>(東マ)、第2位のアンジェス<4563>(東マ)、第6位の神戸天然物化学<6568>(東マ)、第7位のディー・エル・イー<3686>(東1)などで、人工知能(AI)、新型コロナウイルス感染症のワクチン、医薬品原料、アニメ制作のテーマ性を含んでいるだけに、別線の評価が高まる可能性もある。