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JPホールディングスは反発の動き、子育て支援サービスの質的向上を推進
- 2020/7/14 07:26
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
JPホールディングス<2749>(東1)は総合子育て支援カンパニーである。子育て支援サービスの質的向上や少子化を捉えた新たな成長事業の創出を推進している。21年3月期増収増益予想である。新型コロナウイルスの影響を踏まえて新規施設開設を抑制し、子育て支援サービスの質的向上と収益改善に注力する方針だ。当面は第1四半期の一部施設休園の影響が意識されるが、期後半からの収益拡大を期待したい。株価は戻り一服の形だったが、調整一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。
■総合子育て支援カンパニー
総合子育て支援カンパニーである。認可保育園や学童クラブなどを運営する子育て支援事業を主力として、保育所向け給食請負事業、英語・体操・リトミック教室請負事業、保育関連用品の物品販売事業、研究・研修・コンサルティング事業なども展開している。
20年3月期末の運営施設数は、保育園209(認可保育園・公設民営12、認可保育園・民設民営171、認可外東京都認証保育所20、認可外企業主導型保育事業2、その他認可外保育園4)、学童クラブ72、児童館11、民間学童クラブ4、海外幼稚園(ベトナム)1、合計297園・施設(19年3月末比8園・施設増加)である。首都圏を中心に展開している。また受入児童数は19年3月期末比973人増加の1万5323人だった。
収益は既存施設の稼働率、新規施設の開園、保育士待遇改善に伴う人件費の増加、補助金の増減などが影響する。また新規施設の開園は概ね4月のため、期前半は各施設への保育士配置に係る費用が先行するが、児童数が増加して稼働率が上昇する期後半に向けて収益が拡大する季節特性がある。
なお20年6月25日付で坂井徹・前専務取締役が新代表取締役に就任した。
■子育て支援サービスの質的向上と新たな成長事業の創出を推進
長期経営ビジョン2025では、目標値に25年3月期の売上高1000億円規模(内訳は既存の子育て支援事業500億円、新規事業100億円、資本提携・業務提携400億円)を掲げている。
新型コロナ感染症による事業環境の変化に対応し、21年3月期以降の重点施策として、安全・安心のさらなる強化、子育て支援サービスの質的向上、同質化に向けた特色ある保育運営、職員採用強化から定着率向上へのシフト、少子化を捉えた新たな成長事業の創出を推進する。
■21年3月期増収増益予想
21年3月期連結業績予想は、売上高が20年3月期比4.1%増の330億05百万円、営業利益が2.5%増の15億77百万円、経常利益が7.5%増の21億53百万円、純利益が3.6%増の11億63百万円としている。配当予想は20年3月期と同額の3円90銭(期末一括)である。
20年4月に9施設(保育園4園、学童クラブ5施設)を開設しているが、新型コロナウイルスの影響で、自治体からの要請により、東京都を中心に一部施設の臨時休園・休室・休館を実施している。さらに7月までは受入児童の増加を見込まないとしている。
新型コロナウイルスの影響を踏まえて新規施設開設を抑制し、子育て支援サービスの質的向上と収益改善に注力する方針だ。当面は第1四半期の新型コロナウイルスによる一部施設休園の影響が意識されるが、期後半からの収益拡大を期待したい。
■株主優待制度は毎年9月末の株主対象
株主優待制度は毎年9月末日現在の5単元(500株)以上保有株主を対象(詳細は会社HP参照)として実施している。
■株価は反発の動き
株価は戻り一服の形だったが、調整一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。7月13日の終値は268円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS13円30銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想の3円90銭で算出)は約1.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS110円17銭で算出)は約2.4倍、時価総額は約235億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)