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巴工業は調整一巡、21年10月期収益拡大期待
- 2020/7/15 08:11
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
巴工業<6309>(東1)は機械製造販売事業と化学工業製品販売事業を展開している。20年10月期は新型コロナウイルスの影響で減益予想としている。当面は経済収縮の影響が避けられないが、21年10月期の収益拡大を期待したい。株価は上値の重い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。
■機械製造販売事業と化学工業製品販売事業を展開
遠心分離機械を中心とする機械製造販売事業、合成樹脂や化学工業薬品などを中心とする化学工業製品販売事業を展開している。
19年10月期のセグメント別売上構成比は機械製造販売事業27%、化学工業製品販売事業73%、営業利益構成比は機械製造販売事業41%、化学工業製品販売事業59%だった。また地域別売上構成比は日本79%、アジア18%、その他3%だった。
収益面では、機械製造販売事業が設備投資関連のため、第2四半期(2月~4月)および第4四半期(8月~10月)の構成比が高くなりやすい特性がある。
■22年10月期営業利益26億円目標
新中期経営計画では目標値として、22年10月期売上高490億円(機械140億円、化学品350億円)、営業利益26億円(機械9億円、化学品17億円)、経常利益26億円、EBITDA30億円、純利益17億円、そしてROE(純資産利益率)5.7%を掲げている。
重点施策としては、海外事業拡大の継続、さらなる収益性向上、環境負荷軽減、資本効率改善、成長に向けた積極投資、働き甲斐のある職場環境の構築と人材育成を推進する方針だ。
■20年10月期は新型コロナウイルスの影響で減益予想
20年10月期連結業績予想(6月12日に下方修正)は、売上高が19年10月期比1.1%減の409億円、営業利益が16.7%減の19億80百万円、経常利益が17.0%減の19億80百万円、純利益が18.4%減の12億80百万円としている。配当予想は19年10月期と同額の47円(第2四半期末23円50銭、期末23円50銭)である。
第2四半期累計は、売上高が前年同期比10.0%減の199億33百万円、営業利益が17.9%減の13億95百万円、経常利益が18.8%減の13億90百万円、純利益が21.0%減の9億09百万円だった。新型コロナウイルスの影響で機械製造販売が17.9%減収、化学工業製品販売が6.5%減収と低調だった。
通期も新型コロナウイルスの影響で、機械製造販売では海外と国内官民需向け機械販売の一部繰延・遅延が見込まれ、化学工業製品販売でも自動車や住宅建材向け原料の販売が減少する見込みとしている。当面は経済収縮の影響が避けられないが、21年10月期の収益拡大を期待したい。
■株主優待制度は10月末の株主対象
株主優待制度は、毎年10月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して、ワイン(当社関連会社取扱商品)1本を贈呈する。
■株価は反発の動き
株価は上値の重い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。7月14日の終値は1920円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS128円28銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の47円で算出)は約2.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2892円41銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約202億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)