プレミアグループは21年3月期増収増益目指す

 プレミアグループ<7199>(東1)は、オートモビリティ企業グループとしてカーライフのトータルサポートを掲げ、自動車ローンや自動車保証の自動車金融サービスを中心にオート関連サービスを展開している。21年3月期予想は新型コロナウイルスの影響で未定としているが、ストック型ビジネスモデルで増収増益を目指し、増配方針を維持する予定としている。収益拡大を期待したい。株価は戻り一服の形となったが下値を順調に切り上げている。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。なお8月14日に第1四半期決算発表を予定している。

■自動車ローンなど自動車金融サービスが主力

 オートモビリティ企業グループとしてカーライフのトータルサポートを掲げ、中古自動車のオートクレジット(自動車ローン)や、自然故障による修理費用を保証するワランティ(自動車保証)など自動車金融サービスを主力として、オート関連サービスを展開している。20年3月期営業収益構成比はクレジット事業69%、故障保証(ワランティ)事業26%、その他(整備事業、海外事業、ソフトウェアビジネス)5%だった。

 20年3月期末(19年3月期末比)のクレジット加盟店社数は10.4%増の2万2549社、累計クレジット取扱高は29.2%増の1746億円、クレジット債権残高は27.1%増の3187億円、ワランティ取扱高は45.5%増の43.6億円だった。営業力の強化、取引先に対して複数サービスを提供するMULTI ACTIVEによる加盟店との関係構築深化などで取扱高、債権残高が順調に増加している。3ヶ月超のクレジット延滞債権残高率は0.8%台の低位で推移している。

■オートモビリティ企業に向けた成長戦略を推進

 中期経営計画では目標値に23年3月期売上収益260億円、税前利益56億円、親会社所有者帰属当期利益36億円、および25年3月期売上収益400億円、税前利益100億円、親会社所有者帰属当期利益65億円を掲げている。

 オートクレジット企業からオートモビリティ企業への成長を目指し、ファイナンス分野ではオートクレジットの営業拡大とバックヤード効率化、個人向けオートリースの早期収益化、サービサー会社取得(中央債権回収を20年4月子会社化予定)による債権回収強化、ワランティ分野では新形態での保証提供、故障修理のビッグデータ活用によるマネタイズ、認知度向上のための広告施策、オートモビリティ分野ではリサイクルパーツなど新3Rビジネスの強化、および海外展開を推進する。

 19年5月世界共通の自動車保証プラットフォームを構築、19年12月中央債権回収の株式取得、20年1月グループ人材育成を担う子会社VALUEを設立、20年2月オートモビリティサービス分野統括の子会社プレミアモビリティサービス、およびオートパーツ関連事業統括の子会社プレミアオートパーツを設立、20年3月中古車リースの取り扱いを開始した。

 なお20年6月には新経済連盟に加盟した。オートクレジット・中古車第三者保証業界からの初参画となる。また20年7月には、政府が提言する「新しい生活様式」を実践するため、従業員に向けた「Premium行動ガイドライン」を策定した。

■21年3月期増収増益目指す

 21年3月期連結業績(IFRS)予想および配当予想は、新型コロナウイルスの影響を考慮して未定としているが、ストック型ビジネスモデルで増収増益を目指し、増配方針を維持する予定としている。なお新規採用および新規出店は新型コロナ収束までペンディングとするが、オートモビリティ事業の強化を推進する。また中央債権回収の子会社化によって、負ののれん発生益約6億円を計上見込みとしている。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は戻り一服の形となったが下値を順調に切り上げている。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。7月17日の終値は1881円、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS411円21銭で算出)は約4.6倍、時価総額は約250億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■シスルナ経済圏構築に向け、グローバルなパートナーシップを強化  ispace(アイスペース)<9…
  2. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  3. ■物価高・人手不足が直撃、倒産件数29カ月連続で増加  帝国データバンクの調査によると、倒産件数が…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る