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ネオジャパンは上値試す、21年1月期減益予想だが上振れの可能性
- 2020/7/22 07:51
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ネオジャパン<3921>(東1)は自社開発グループウェアのクラウドサービスを主力としている。21年1月期は先行投資負担で減益予想としているが、テレワーク化の流れも追い風として上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は上場来高値圏でモミ合う形だが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。
■自社開発グループウェアのクラウドサービスが主力
ビジネス・ITコミュニケーション・ツール開発企業である。自社開発グループウェア「desknet‘s NEO」のクラウドサービス(月額課金収入)を主力として、大企業向け中心のプロダクト(パッケージソフト販売のライセンス収入およびサポートサービス収入)も展開している。
グループウェア「desknet‘s NEO」は、ローカライゼーション(日本語、日本の商習慣やビジネス習慣など)に対応した27の基本機能を備え、多機能・使いやすさ・高品質・低価格を強みとしている。20年7月にはIT製品比較・レビューサイト「ITreview」において、グループウェア部門とワークフロー部門で6期連続アワードを受賞した。
20年1月期末時点のシリーズ累計ユーザー数は約415万ユーザー(うちクラウド版は約30万ユーザー)となった。業種・業態・規模を問わず、幅広く企業・官公庁・自治体に採用されている。中長期的には累計ユーザー数1000万ユーザーを目指すとしている。
19年6月米国に子会社DELCUIを設立、19年8月システムインテグレーションのPro―SPIREを子会社化、19年12月マレーシアに合弁会社NEOREKA ASIAを設立した。
20年1月期の売上構成比は、ソフトウェア事業が82%(うちクラウドサービスが57%、プロダクトが40%、技術開発が3%)、システム開発サービス事業(子会社Pro-Spire)が18%だった。またストック売上(クラウドサービスおよびサポートサービス)比率は77%だった。ストック売上の積み上げにより、高収益構造である。
■シェア拡大と東南アジア市場開拓を推進
中期成長戦略として、グループウェア「desknet‘s NEO」を核とするエンタープライズ向け製品の市場シェア拡大、シナジーが見込めるアライアンスへの戦略投資、マレーシアの合弁会社を拠点とするクラウドサービスの東南アジア市場開拓などを推進する。
製品ラインアップ拡充では、カスタムメイド型業務アプリ作成ツール「AppSuite」や、新しいコミュニケーション・ツールとしてのビジネスチャット「ChatLuck」を提供している。
20年2月にはグループウェア「desknet‘s NEO」新バージョンの提供を開始した。また大塚製薬と健康経営の推進に向けて協業し、働く人の健康管理を支援するサービス「健康サポートプラス」の提供を開始した。
■21年1月期減益予想だが上振れの可能性
21年1月期の連結業績予想(20年1月期はPro―SPIREを子会社化して第3四半期から連結決算に移行)は、売上高が20年1月期比42.4%増の53億31百万円、営業利益が22.6%減の5億40百万円、経常利益が21.9%減の5億60百万円、そして純利益が28.8%減の3億52百万円としている。配当予想は20年1月期と同額の7円50銭(期末一括)である。
売上高の計画は、クラウドサービスが大型案件も寄与して17.3%増収、プロダクトが1.1%減収、システム開発サービス(20年1月期はPro―SPIREを第3四半期から連結)が3.9倍増収としている。クラウドサービスが大幅伸長し、Pro―SPIREの通期連結も寄与して大幅増収だが、人材確保・育成や海外展開などの先行投資負担で減益予想としている。
第1四半期(前年同期は非連結)は、売上高が13億22百万円、営業利益が2億82百万円、経常利益が2億94百万円、純利益が2億円だった。主力のクラウドサービスが「desknet‘s NEO」の利用ユーザー数増加などで22.8%増収と大幅伸長した。プロダクトもカスタマイズの増加などで3.5%増収と堅調だった。子会社Pro―SPIREのシステム開発サービス事業も貢献した。
なお新型コロナウイルス感染症拡大に伴うテレワーク環境整備支援を目的として、グループウェア「desknet‘s NEO」クラウド版、およびビジネスチャット「ChatLuck」クラウド版を期間限定で無償提供した。
第1四半期の進捗率は売上高24.8%、営業利益52.2%と順調だった。通期は先行投資負担で減益予想としているが、テレワーク化の流れも追い風として上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。
■株主優待は1月末と7月末の年2回
株主優待は年2回、1月末と7月末の株主を対象として、保有株式数に応じてQUOカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。
■株価は上値試す
株価は上場来高値圏でモミ合う形だが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。7月21日の終値は2277円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS23円72銭で算出)は約96倍、今期予想配当利回り(会社予想の7円50銭で算出)は約0.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS259円69銭で算出)は約8.8倍、時価総額は約338億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)