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トーセは20年8月期3Q累計大幅増益で通期上振れ余地
- 2020/7/30 08:18
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
トーセ<4728>(東1)は家庭用ゲームソフト開発・制作請負の専業最大手である。20年8月期減収減益予想だが、第3四半期累計は大幅増収増益だった。新型コロナウイルスによる開発スケジュールの遅延等は発生していないとしている。通期上振れ余地がありそうだ。株価は第3四半期決算発表を機に反落の形となったが、目先的な売り一巡して出直りを期待したい。
■家庭用ゲームソフト開発・制作請負の専業最大手
家庭用ゲームソフト開発・制作請負の専業最大手で、デジタルエンタテインメント事業(ゲームソフト関連、モバイルコンテンツ関連、パチンコ・パチスロ関連などデジタルコンテンツの企画・開発・運営の受託)、その他事業(SI事業、家庭用カラオケ楽曲配信事業、コンサート事業やクレーンゲーム事業など新規事業創出)を展開している。
収益は開発業務の進行に合わせて受け取る開発売上、コンテンツ配信後の運営に伴う運営売上、コンテンツ販売数量に基づくロイヤリティ売上である。大型案件の開発受託の有無や、開発完了・売上計上時期などによって変動しやすい特性がある。またプロジェクトの大型化に伴って開発期間が長期化する傾向を強めている。
複雑化・多様化するゲーム市場において、豊富なパイプライン展開を可能とする多彩な技術ポートフォリオ、長年の実績とノウハウに基づく信用力、開発売上とストック型の運営売上を持つ安定的なビジネスモデルを特徴としている。
■20年8月期減益予想だが3Q累計大幅増益で通期上振れ期待
20年8月期の連結業績予想は、売上高が19年8月期比3.7%減の51億52百万円、営業利益が37.7%減の2億26百万円、経常利益が36.1%減の2億58百万円、純利益が42.9%減の1億42百万円としている。配当予想は19年8月期と同額の25円(第2四半期末12円50銭、期末12円50銭)である。
第3四半期累計は、売上高が前年同期比16.9%増の30億56百万円、営業利益が4.2倍の1億22百万円、経常利益が2.3倍の1億44百万円、そして純利益が3.8倍の68百万円だった。
デジタルエンタテインメント事業の大型タイトルの数件について、マイルストーン変更による売上計上時期変更が発生したが、スマートフォン向け開発売上や運営売上が好調に推移した。全体として概ね想定通りの進捗で推移した。セグメント別には、デジタルエンタテインメント事業はモバイルコンテンツ関連が伸長して9.3%増収で90.1%増益、その他事業はITシステム開発が伸長して74.2%増収で黒字化した。
通期の減収減益予想を据え置いたが、第3四半期累計は大幅増収増益だった。また新型コロナウイルスによる開発スケジュールの遅延等は発生していないとしている。通期上振れ余地がありそうだ。
■株価は目先的な売り一巡
株価は第3四半期決算発表を機に反落の形となったが、目先的な売り一巡して出直りを期待したい。7月29日の終値は875円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS18円83銭で算出)は約46倍、今期予想配当利回り(会社予想の25円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS780円70銭で算出)は約1.1倍、時価総額は約68億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)