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KeyHolderは総合エンターテインメント事業で収益柱構築目指す
- 2020/7/30 08:12
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
KeyHolder<4712>(JQ)は総合エンターテインメント事業を中心に新たな収益柱構築を目指している。20年12月期はM&A効果で黒字予想としている。新型コロナウイルスで公演・イベント自粛などの影響を受けるが、中期的に収益改善を期待したい。なお20年8月15日付(効力発生日)で10株を1株に併合する。株価は急伸した6月の年初来高値から反落したが、調整一巡して出直りを期待したい。なお8月12日に第2四半期決算発表を予定している。
■総合エンターテインメント事業で新たな収益柱構築目指す
Jトラスト<8508>グループで、17年10月旧アドアーズが持株会社へ移行して商号をKeyHolderに変更した。18年3月には子会社アドアーズを譲渡してアミューズメント施設運営領域から撤退し、ライブ・エンターテインメントやテレビ番組制作等の総合エンターテインメント事業を中心に、新たな収益柱構築を目指している。
19年3月子会社SKEが芸能プロダクションAKSから譲り受けたSKE48事業を開始、19年3月SAMURAI&J PARTNERS<4764>と業務提携して新株予約権引き受け、19年4月広告・プロモーション企画制作のオルファスを子会社化、テレビ番組制作のフーリンラージを子会社化した。
19年5月フーリンラージが民事再生手続申し立てのイメージフィールドとスポンサー支援基本合意書を締結、19年6月カラコン事業を開始、19年7月SKEが商号をゼストに変更、オルファスがKeyStudioを吸収合併、フーリンラージがイメージフィールドから映像制作事業を譲り受け、19年8月フーリンラージがKeyProductionを吸収合併、フーリンラージが商号をUNITED PRODUCTIONSに変更、19年10月映像制作クリエイター・スタッフ派遣のワイゼンラージを子会社化した。20年1月角川春樹事務所と各種イベント企画・運営およびモデル・タレントマネジメントの合弁会社ホールワールドメディアを設立した。
なお20年5月には、女性アイドルグループ「乃木坂46」運営の芸能プロダクション会社ノース・リバーの全株式取得(20年7月1日予定)に関する基本合意書を締結した。20年6月には50%の取得が確定し、連結子会社化の見込みとなった。残りの50%についても取得に向けた交渉・調整を図るとしている。
また20年5月には、子会社キーノートにおける新事業開始(不動産特定共同事業法に基づくクラウドファンディング事業、20年7月上旬予定)を発表している。
■20年12月期黒字予想
20年12月期の連結業績(IFRS)予想は、6月30日に修正して、売上収益が140億円(従来予想は160億円)、営業利益が5億円(同2億50百万円)、親会社所有者帰属当期利益が4億円(同50百万円)としている。新型コロナウイルスの影響で営業収益を下方修正したが、ノース・リバーを連結子会社化した効果で各利益を上方修正した。なお配当予想は19年12月期と同額の1円(期末一括)としている。
新型コロナウイルスで公演・イベント自粛などの影響を受けるが、中期的に収益改善を期待したい。
■株主優待制度の基準日および優待内容を変更
株主優待制度は19年3月期末から対象株主を1000株(10単元)以上保有株主に変更した。さらに6月19日には、基準日および優待内容の変更(詳細は会社HP参照)を発表した。決算期変更に伴って20年12月期から基準日を毎年6月30日に変更したが、新型コロナウイルスの影響や株式併合(20年8月15日付で10株を1株に併合)を考慮して基準日を毎年12月31日に変更する。20年12月期の基準日(2020年12月31日)から実施する。
■株価は調整一巡
株価は急伸した6月の年初来高値から反落して上値を切り下げる形だが、調整一巡して出直りを期待したい。なお7月28日に子会社の役員が逮捕されたと報道されたが影響は限定的だろう。7月29日の終値は114円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS2円45銭で算出)は47倍、今期予想配当利回り(会社予想の1円で算出)は約0.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS72円43銭で算出)は約1.6倍、時価総額は約189億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)