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トレジャー・ファクトリーは6月~7月の既存店売上順調
- 2020/8/11 08:44
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
トレジャー・ファクトリー<3093>(東1)はリユースショップを展開している。21年2月期予想は新型コロナウイルスの影響で未定としているが、既存店売上(単体ベース)は緊急事態宣言解除を受けて6月にプラス転換した。さらに7月はプラス幅を広げて順調に推移している。収益回復基調だろう。株価は安値圏でやや軟調だが、調整一巡して出直りを期待したい。
■リユースショップを展開
総合リユース業態トレジャー・ファクトリーや服飾専門リユース業態トレファクスタイルを主力とするリユースショップを、首都圏直営店中心に展開している。収益面では第2四半期(6~8月)の構成比が小さい季節特性がある。
20年3月末時点の店舗数は、グループ合計192店舗(タイの3店舗を含むトレジャー・ファクトリー65店舗、トレファクスタイル53店舗、トレファクスポーツ5店舗、ユーズレット7店舗、ブランドコレクト3店舗、トレファクマーケット1店舗、カインドオル41店舗、ゴルフキッズ17店舗)である。
■リユース事業の成長と周辺・新規事業への投資を推進
中期成長戦略として、リユース事業の成長(大都市圏中心に複数業態を組み合わせて年間10~20店舗の新規出店、採用・教育・在庫・物件開発など多店舗展開力の強化、リアル店舗とオンラインサービスの会員共通化をベースとしたリアル店舗・EC販売・宅配買取などの相互利用)、海外市場での成長(タイ3店舗の収益化、他国への展開)、リユース周辺事業・新規事業への投資(引越事業のトレファク引越、BtoBオークション事業のトレファク、ECドレスレンタル事業のCariru、不動産仲介事業のトレファク不動産)を推進している。
19年1月にはシステム開発のデジタルクエストを子会社化した。20年2月にはAIアプリのXZ(クローゼット)運営のSTANDING OVATIONと資本業務提携し、手持ちの服を簡単にリユースする仕組みを共同開発した。
■21年2月期業績・配当予想は未定、6月~7月の既存店売上順調
21年2月期の連結業績予想および配当予想は未定としているが、既存店売上(単体ベース)は緊急事態宣言解除を受けて6月にプラス転換した。さらに7月はプラス幅を広げて順調に推移している。収益回復基調だろう。
月次売上(単体直営店の店舗売上、前年比速報値ベース)を見ると、20年6月は全店が104.5%、既存店が101.0%、そして7月は全店が108.3%、既存店が104.6%だった。
緊急事態宣言解除に伴って6月から一部店舗を除いて通常の営業時間とした。そして7月は引き続き在宅勤務需要や巣ごもり需要などで生活家電、家具、ホビー用品が好調だった。衣料はさらに復調し、ブランド品も好調に転じた。なお7月の新規出店は1店舗(トレファクスポーツ多摩南大沢店)だった。
■株主優待制度は2月末の株主対象
株主優待制度は毎年2月末時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として実施(詳細は会社HP参照)している。
■株価は調整一巡
株価は安値圏でやや軟調な展開だ。新型コロナウイルス感染拡大を意識する動きと考えられるが、調整一巡して出直りを期待したい。8月7日の終値は698円、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS407円13銭で算出)は約1.7倍、時価総額は約81億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)