【注目銘柄】ノジマは反落も1Qと3月期通期の過去最高業績を手掛かりに超割安株買いが交錯

注目銘柄

 ノジマ<7419>(東1)は、前日20日に34円安の2963円と3日ぶりに反落して引けた。日経平均株価が、229円安と反落し約1週間ぶりフシ目の2万3000円台を割ったことから、8月4日につけた年初来高値3095円に肉薄していた同社株にも目先の利益を確定する売り物が出た。ただ取引時間中には3000円台大台にタッチする場面もあり、下値には今年7月31日に発表した今2021年3月期第1四半期(2020年4月~6月期、1Q)業績と、同日に同時開示した今3月期通期予想業績が、ともに過去最高を更新することを見直して超割安株買いが交錯した。同社のPER評価は、わずか3倍台と東証第1部低PERランキングで第6位にランクされていることも、上値拡大材料として意識されている。

■テレワーク関連機器や高機能家電製品が好調に推移

 同社の今期1Q業績は、売り上げ1063億3000万円(前年同期比18.0%減)、営業利益60億2200万円(同64.6%増)、経常利益66億5500万円(同61.6%増)、純利益44億1300万円(同49.0%増)で着地し、利益は、四半期ベースで過去最高となった。デジタル家電専門店運営事業では、4月に全店舗の3分の1を臨時休業し、全店舗の営業時間を短縮したが、神奈川県を中心にする郊外店の好立地を活かし、テレワーク増加によりPC本体や関連機器の販売が増加し、TVや冷蔵庫の高機能家電製品も好調に推移したことが要因となった。

 今2021年3月期第2四半期・通期業績は、期初に新型コロナウイルス感染症の影響を合理的に把握することは困難として未定としていたが、今期1Q決算とともに開示した。このうち3月期通期業績は、売り上げ5070億円(前期比3.2%減)、営業利益270億円(同19.6%増)、経常利益510億円(前期比2.10倍)、純利益410億円(同2.57倍)と予想、前期の過去最高を大幅更新する。同社は、積極的にM&Aを推進し2017年に子会社化したネット接続のニフティが、買収後3年で前期に7年ぶりに過去最高益を更新したことや、さらにスルガ銀行の持分法適用化による負ののれん計上及び持分法適用損益の影響なども業績を大きく押し上げる。

■PER3倍は東証1部ランキングの第6位に位置し上値余地を示唆

 株価は、コロナショック安に巻き込まれた年初来安値1501円からテレワーク関連株人気で底上げし、前期業績の上ぶれ着地、スルガ銀行<8358>(東1)との業務・資本提携、自己株式取得と好材料が続いて2761円まで83%高し、今期1Q業績の観測報道で年初来高値3095円までさらに上値を伸ばし高値もみ合いを続けてきた。PERは、3.6倍と東証第1部の低PERランキングで第6位に位置するなどバリュー株素地を内包しており、年初来高値抜けから上値チャレンジが続こう。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  2. ■2024年度上半期163件で過去最多更新  人手不足による倒産が急増している。帝国データバンクの…
  3. ■新たなモビリティ社会実現に向けた取り組み加速  トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は10月…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る