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ハウスドゥは調整一巡して反発の動き、21年6月期大幅増益予想
- 2020/8/27 08:33
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ハウスドゥ<3457>(東1)は、FinTechを活用した不動産流通ソリューションで業界変革を目指す不動産テック(不動産×IT)企業である。20年6月期は新型コロナウイルス影響で大幅減益だったが、21年6月期は大幅増益予想(レンジ予想)としている。収益拡大を期待したい。株価は安値圏に回帰して軟調だったが、調整一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。
■住まいのワンストップサービスを展開する不動産テック企業
住まいのワンストップサービスを展開し、FinTechを活用した不動産流通ソリューションで業界変革を目指す不動産テック(不動産×IT)企業である。
不動産流通事業で創業し、リフォーム事業、不動産売買事業、不動産売買仲介「HOUSEDO」FC加盟店に各種サービスを提供するフランチャイズ事業、ハウス・リースバック事業、不動産担保ローン事業、金融機関と提携したリバースモーゲージ保証事業へと展開し、業容を拡大している。
■ストック収益型事業が収益柱
ロイヤリティー収入、賃貸収入、金利収入など、ストック収益を積み上げるフランチャイズ事業、ハウス・リースバック事業、金融事業(不動産担保ローン事業、リバースモーゲージ保証事業)を成長強化事業と位置付けて収益の柱としている。なおハウス・リースバック事業では、取得した収益不動産物件の売却も進めている。
成長強化事業の20年6月期営業利益構成比は77.2%(フランチャイズ事業が36.6%、ハウス・リースバック事業が40.0%、金融事業が0.6%)となり、19年6月期比6.4ポイント上昇した。
フランチャイズ事業の20年6月期末累計加盟契約数は19年6月期末比41店舗増加の643店舗、累計開店店舗数は59店舗増加の556店舗だった。中期的には国内1000店舗、アジア5万店舗を目標としている。また賃貸不動産仲介事業の新ブランド「レントドゥ!」も展開している。
ハウス・リースバック事業の保有物件数は97件減少の217件、保有物件総額は18億48百万円減少の33億29百万円だった。HLB6号ファンドへの売却(譲渡価格約39億円)で期末保有物件は減少したが、契約件数は106件増加の660件、物件取得数は129件増加の634件と順調に増加している。
金融事業の不動産担保融資実行件数は21件増加の207件、不動産担保融資残高は28億82百万円増加の110億45百万円、リバースモーゲージ保証件数は16件増加の145件、リバースモーゲージ保証残高は7億86百万円増加の34億円だった。残高積み上げによって収益が拡大している。
■ハウス・リースバック事業や保証事業を強化
中期経営計画では目標数値を、22年6月期売上高437億61百万円、営業利益47億66百万円、経常利益45億円、純利益29億70百万円としている。
重点戦略として、ハウス・リースバック事業の更なる取り扱い強化、保証事業(リバースモーゲージ保証・事業性融資保証・賃貸保証サービス)の強化、レントドゥ!の国内1000店舗への強化、空家活用の時間貸し「タイムルーム」の強化、海外展開の着手、国内M&Aへの積極的取り組みを推進する。なお20年8月にはDX(デジタルトランスフォーメーション)推進本部を設立した。グループの事業展開におけるDX推進に向けた環境整備および具体的な取り組みを促進する。
M&A・アライアンスでは、19年6月エアトリステイおよびAirbnbと加盟店の空室活用で包括的業務提携、19年7月三井住友海上火災保険とFC加盟店対象の包括賠償制度「FC Triple G?ard」を開発・提供開始、19年8月埼玉県草加市を中心に不動産売買・仲介などを展開する小山建設グループを子会社化した。なお20年7月1日付で、子会社の草加松原住建の商号をハウスドゥ・ジャパンに変更した。
■21年6月期大幅増益予想
20年6月期の連結業績は、売上高が19年6月期比4.2%増の328億78百万円、営業利益が40.0%減の18億93百万円、経常利益が42.8%減の17億16百万円、純利益が48.6%減の10億30百万円だった。配当は18減配の19円(期末一括)とした。
計画に対して未達となり、大幅減益で着地した。売上面ではフランチャイズ事業が加盟店舗数の増加で4.7%増収、ハウス・リースバック事業が契約件数および仕入件数の増加で8.7%増収、金融事業が保証残高の増加で32.9%増収、不動産流通事業が9.4%増収と順調に推移し、小山建設グループの新規連結も寄与したが、消費増税や新型コロナウイルスの影響で不動産売買事業が21.5%減収、リフォーム事業が15.1%減収と低調だった。コスト面では成長強化事業への投資で人件費や広告宣伝費が増加した。
21年6月期の連結業績予想はレンジ予想とした。売上高が339億76百万円~375億32百万円(20年6月期比3.3%増~14.2%増)、営業利益が27億13百万円~35億12百万円(43.3%増~85.5%増)、経常利益が25億円~33億円(45.7%増~92.2%増)、純利益が16億50百万円~21億78百万円(60.1%増~111.3%増)としている。配当予想は未定としている。
新型コロナウイルス影響が徐々に縮減すると想定し、各種取り組み効果で大幅増益予想である。先行きが不透明であることを考慮してレンジ予想としたが、下限値をベースラインとし、各種取り組み効果を想定して上限値を設定したとしている。収益拡大を期待したい。
■株主優待制度は毎年6月末の株主対象
株主優待制度は毎年6月30日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。株主優待ポイント表に基づいて進呈されるポイントを、株主限定特設インターネット・サイト「ハウスドゥプレミアム優待倶楽部」において、食品や電化製品などと交換(詳細は会社HP参照)できる。
■株価は調整一巡して反発の動き
株価は安値圏に回帰して軟調だったが、調整一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。8月26日の終値は970円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS上限値111円75銭で算出)は約9倍、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS592円27銭で算出)は約1.6倍、時価総額は約189億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)