京写はベトナム新工場の稼働に全力傾注、新型コロナの影響で遅れるが両面プリント配線板の生産規模一挙に2割増強

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■株価は第1四半期赤字でも底堅く新工場の寄与など展望する動き

京写<6837>(JQS)は第1四半期(2020年4~6月)の連結業績が各利益とも赤字になり、多くの製造業と同様、新型コロナの影響が厳しかった。しかし、株価は発表の翌取引日の242円を下値に回復基調を続けており、8月26日の終値は258円(1円安)。第1四半期の赤字はほとんど織り込み済みと見ることができる。

 その要因として注目できるのが、いま稼働準備中のベトナム新工場(京写ベトナム;Kyosha Vietnam Co.,Ltd.)だ。この3月にほぼ完成した後、新型コロナの影響で稼働準備が遅れてきたが、「足止めされていた日本からの人員派遣が8月下旬にやっと再開した」(児嶋一登社長)。

■ベトナム新工場は中国、インドネシアに続く新戦略拠点で高品質製品のグローバル供給体制を構築

 同社はプリント配線板の世界的大手で、片面板は月産45万㎡で世界最大。一方、両面プリント配線板の生産規模は現在、月産19万㎡だが、ベトナム新工場が稼働すれば一挙に20%以上増加して同23万㎡に拡大する。

 ベトナム新工場は、日本、中国、インドネシアに続く海外の新戦略拠点との位置付けで設置された。自動車の電装化の進展や、世界的なEV(電気自動車)の普及拡大などにより、生産体制の強化と、高品質な製品のグローバル供給体制を構築することが目的。すでにベトナム新工場での生産を前提とする受注予約が入っているとのことで、稼働に向けて全力を傾注している。

 ベトナム新工場の稼働は、早ければ年内、20年末までに実現する可能性があるようだ。21年3月期の連結業績予想は、現段階では未定としているが、下期は受注の回復が徐々に表面化する見通し。株価も、今後はベトナム新工場の寄与を次第に織り込む動きになるとみることができそうだ。(HC)

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