【特集】長寿の老舗企業とキャッシュリッチの金持ち企業の脚光に期待

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 今週の当特集では、日本的ビジネスモデル株として、社歴が500年にも及ぶ長寿の老舗企業とキャッシュリッチの金持ち企業を取り上げ、「Go To バフェット」キャンペーンの先回りをすることとした。大手商社は、そのルーツが同様に遠く江戸時代の両替商や繊維問屋にまで遡る老舗企業が多く、金持ち企業は、不要不急の資金を溜め込みリスクを取らない日本型経営の典型とバッシングが続いていただけに、逆に脚光が当たることを期待したい。

■大手商社株を上回り創業400年、300年企業が目白押し

 老舗企業でこのところ目覚ましいパフォーマンスをみせたのは、綿半ホールディングス<3199>(東1)である。直接の買い材料は、今3月期業績の上方修正と続く株式分割(基準日・2020年9月30日、1株を2株に分割)で、株価はこの1カ月余で4割高したが、同社の創業は、あの「本能寺の変」のあとの慶長3年(1598年)に遡り、織田信長の武将が刀を捨てて綿商いを始めたことをルーツとしている。家訓として「合才の精神」を掲げて社員全員により地域社会の活性化を推進しており、これが幾多の戦乱、自然災害、好不況を乗り越え、現在の生鮮商品まで取り扱うホームセンター事業と建設事業、貿易事業を兼営する独自のビジネス業態につながっている。2018年3月期には、創業420周年の記念配当を実施し、これがサプライズとなって上場来高値4875円へ急伸した経緯がある。

最古参は、加賀藩の普請奉行として天正14年(1586年)に創業された松井建設<1810>(東1)で、このあとも創業400年~300年の老舗企業が目白押しである。住友金属鉱山<5713>(東1)、養命酒製造<2540>(東1)、小津産業<7487>(東1)、大木ヘルスケアホールディングス<3417>(JQS)、マミーマート<9823>(JQS)、ユアサ商事<8074>(東1)、岡谷鋼機<7485>(名1)、三井不動産<8801>(東1)、三越伊勢丹ホールディングス<3099>(東1)、住友林業<1911>(東1)、山大<7426>(JQS)と続き、要マークである。

■ゼネコンを筆頭に低PER・PBR、高配当利回りの建設株が上位にランク

 金持ち企業では、リスクモンスター<3768>(東2)が、今年8月25日に発表した「第8回金持ち企業ランキング」が参考になる。ネットのキャッシュフローがトップから100位までをランキングしたもので、第1位の任天堂<7974>(東1)、第2位の信越化学工業<4063>(東1)など、稼ぐ力がこのところの高株価につながっている。このなかでランキングに入りながら株価的に割り負けている銘柄が狙い目となる。

 まず建設セクターで、ゼネコンでは第8位の大成建設<1801>(東1)、第21位の大林組<1802>(東1)は、低PER・PBRで配当利回りは3%を超えている。中堅の土木・住宅・電気工事株も同様であり、ランク順にあげるとNIPPO<1881>(東1)、東建コーポレーション<1766>(東1>、前田道路<1883>(東1)、大東建託<1878>(東1)、熊谷組<1861>(東1)、関電工<1942>(東1)、大気社<1979>(東1)と続く。

 低PER・PBRでは医薬品卸のメディパルホールディングス<7459>(東1)、スズケン<9987>(東1)、食品卸の加藤産業<9869>(東1)が共通であり、利回りが3%以上に回る科研製薬<4521>(東1)やコクヨ<7984>(東1)も要マークであり、新興市場株のエスケー化研<4628>(JQS)も外せない。

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