巴工業は20年10月期3Q累計減収減益だが、利益進捗率が高水準

(決算速報)
 巴工業<6309>(東1)は9月11日の取引時間終了後に20年10月期第3四半期累計の連結業績を発表した。新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で減収減益だった。ただし利益の進捗率が高水準だった。通期利益予想に上振れ余地がありそうだ。株価は通期減収減益予想を織り込み済みで、利益の高進捗率を好感する可能性がありそうだ。

■20年10月期通期利益予想に上振れ余地

 20年10月期第3四半期累計(11月~7月)の連結業績は、売上高が前年同期比8.8%減の284億24百万円、営業利益が12.0%減の16億27百万円、経常利益が12.2%減の16億49百万円、純利益が15.2%減の10億75百万円だった。

 新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で減収減益だった。機械製造販売事業は9.7%減収で22.2%減益、化学工業製品販売事業が8.4%減収で5.2%減益だった。

 通期の連結業績予想(6月12日に下方修正)は据え置いて、売上高が19年10月期比1.1%減の409億円、営業利益が16.7%減の19億80百万円、経常利益が17.0%減の19億80百万円、純利益が18.4%減の12億80百万円としている。

 新型コロナウイルスの影響で、機械製造販売では海外と国内官民需向け機械販売の一部繰延・遅延が見込まれ、化学工業製品販売でも自動車や住宅建材向け原料の販売が減少する見込みとしている。

 ただし第3四半期累計の進捗率は売上高69.5%だが、営業利益82.2%、経常利益83.3%、純利益84.0%と利益の進捗率が高水準だった。通期利益予想に上振れ余地がありそうだ。

■株価は通期減収減益予想を織り込み済み

 株価は上値が重くモミ合い展開だが、通期減収減益予想を織り込み済みで、利益の高進捗率を好感する可能性がありそうだ。出直りを期待したい。9月11日の終値は1886円、時価総額は約199億円である。

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