【どう見るこの相場】「ワンスモア」期待で上方修正株の2Q業績発表をマークして決算プレー

どう見るこの相場

 マーケットの一部で「やっぱり」と納得する安心感と、一度あることは二度あると「ワンスモア」を期待する意気込みが高まってきたようだ。インフルエンサーは、ニトリホールディングス<9843>(東1)である。同社株は、前週末25日付けの日本経済新聞朝刊が、今2021年2月期第2四半期(2020年3月~8月期、2Q)累計業績の上ぶれ着地を伝えて一時、660円高したが、同日大引け後にこの2Q累計業績と観測報道を上回る今2月期通期業績の上方修正を発表したからだ。

 もともと同社は、今年6月25日に発表した今期第1四半期(2020年3月~6月期、1Q)決算が、2ケタ増益で着地し2Q累計業績に対して高利益進捗率を示したことから、株価も上場来高値までほぼ2000円高し、業績の上ぶれ期待を高めていた。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛やテレワークの推進で、巣ごもり関連の収納整理用品やキッチン・ダイニング用品、ホームオフィス家具などが好調に推移したことが要因で、この好事業環境はなお続いており、10月2日に発表が予定されていた今期2Q業績がマークされていたのである。2Q決算発表に先立つ、業績上ぶれ観測報道、業績の上方修正だったことになる。

しかも、前週末25日にはそこにアシスト銘柄も続いた。キャリアリンク<6070>(東1)である。同社株も、やっぱり今2月期1Q決算発表時に今期2Q累計業績を上方修正していたが、前週末25日大引け後にその2Q累計業績を再上方修正するとともに、今2月期通期業績も上方修正し、前期の過去最高業績を大幅更新する。この修正要因も、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対応するコールセンター向けの人材派遣事業でBPO事業者や官公庁向けに新規大型スポット受注があったことによるもので、10月8日に予定していた2Q累計決算発表に先立つ上方修正である。

 折から10月入りとともに決算発表シーズンとなり、発表される決算動向を評価して決算プレーがスタートする。この決算プレーが、ポジティブな業績相場なるか、それともネガティブな逆業績相場となるか、方向性とスケールを決めるリード株は、2月期決算会社では安川電機<6506>(東1)、3月期決算会社では日本電産<6594>(東1)となるのが例年の定番である。しかし、コロナショック後の「ウイズ・コロナ」では、両社株と並んで「新しい生活様式」の関連株への注目度も増しており、ニトリ追撃株の続出も予想される。

 そこで今週は、2月期決算会社で今期1Q決算発表時に今期業績を上方修正した銘柄に注目することとした。キャリアリンクと同様に「ワンスモア」となれば、ポジティブな決算プレーが演じられることになり、2Q決算発表日は要マークとなる。

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